年の瀬が迫ると、今年1年を漢字一文字で表現する話題が登場するが、実施主体も多様化して来た。ネット上では、「呆」や「隼」。他にも「漏」「愚」「流」「嘘」等々、社会事象を捉えた字が目立つ。
(財)日本漢字能力検定協会実施の漢字一文字は、2007年以降、「偽」⇒「変」⇒「新」となった。時代背景として、偽造問題が続出した2007年からオバマ大統領誕生、株価暴落・円高で「変」化の兆しが生じ、2009年、待望の政権交代が実現して新たな展望の期待が高まった。
ところが、鳩山政権は1年持たずに自爆し、菅内閣も閣僚の失言・暴言が相次ぎ、迷走ぶりが目立ってきた。ここへ来て、一兵卒に徹した筈の小沢・鳩山コンビが密会したり、政界のフィクサー渡辺恒夫が蠢きだし、政局の混迷度を深め始めた。
そこで、私の一文字は、「失」。政権交代に期待した結果を「失望」で総括するには、性急過ぎるが、「失言」と「暴言」続出の内閣の頭二文字をとって「失暴」、転じて「失望」ともじってみた。民主党の「賞味期限」は終わっても「消費期限」は、まだ3年近く残っている。社会的影響力を持たない身だけに、来年こそ募る不安を期待に変えてほしい。