「更けて焼く 餅の匂いや 松の内」と言う俳句からは、正月の平穏な光景が伝わって来る。子供の頃、火鉢にかざした網金にお餅を乗せ、焦げ目がついたらひっくり返し、ぷうーっと膨れるのを待ったものだ。
今では通年でお餅を食べることが出来るので、かつての正月特有の感傷が薄れてきたと思いながら、昨日、お餅を食べていたら、ガチっと鈍い音がした。
餅に固い異物が混入していた感じがしたが、そのまま呑みこんだ。食べ終わり、お茶を飲もうとしたら、口の中に違和感を感じた。舌先で口中をさぐると、左下奥歯にあった詰め物が欠損していた。
今朝、さっそく歯医者に電話をして予約を入れた。孫の誕生で、「じじばば族」に入会したと思ったら、餅で歯が抜けると言う「老いの証明」まで付き、初笑いならぬ苦笑いになった。