ブラジルで開催されたサッカーの2014W杯は、ドイツの優勝で幕を閉じたが、決勝トーナメントに残ったチームは、いずれも日本との格の違いを見せつけた。
海外メディアは、大敗を喫して怒りを爆発させたブラジルのファンに対し、日本人サポータがゴミを回収する姿を賞賛したが、手放しで喜べない。
各人が飲み終えたボトル等を自分のリュックやバッグの中に仕舞込めば、後片付けをしなくて済むことで、誰かの号令で、後片付けをする光景は、滑稽に映った。
さて、日本国内では、タバコのポイ捨てやゴミの不法投棄があとを絶たないし、バーベキューや花火の不始末、はたまた、禁止エリアでのゴルフや釣り等々、マナーの悪さに眉をしかめる。
また、電車やバス、駐車場の優先席無視は、「空いていたらOK」で平然としているが、即罰金や定期割引き取消しの国さえある。また、スマホのながら歩行や自転車の右側走行は、違法行為だ。
政府は、東京五輪を見据えて、ハード面での充実やカジノ構想で経済効果をもくろむが、肝心の「お・も・て・な・し」は、甚だ、寒々しい。「もてなし」の原点は、和食や世界遺産等中心のコマーシャリズムではなく、「滞在していて心地よい」環境と思いやりの心のはず。
30年程前、東京から来訪した親戚の者に、「街にゴミが少ないのに驚いた」と言われ、嬉しかった。各人が、自分のなすべきことを正しく認識し、実行すれば、組織的な運動論は無用になる。
次回更新は、17日の予定。