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「ターザン:REBORN」(2016年アメリカ映画)

2016年08月11日 | 映画の感想・批評


 「元ターザン」で、今は貴族として日々を送っている主人公が、「現ターザン」として復帰するという発想が今風で面白い。だから、副題が「REBORN」なのだ。経済界等ではよくある話で、一度引退を表明した人物でも、再度、表舞台に駆り出される今の時代が生んだ流れであろうか。ただ、そこは映画(=虚構)の世界。復帰後のターザンは、手強い相手に苦労しながらも、最後は、愛する人を守り、自然を守り、動物達を守り切るストーリーである。
 勧善懲悪パターンなので、安心して観ていれるが、欲を言うのであれば、もっともっと、ターザンが、自然を愛し、動物を愛し、奥様を愛しているのかを表しているシーンがあれば、それを奪おうとする者達に対する怒りや憎しみが感じられ、ターザンに感情移入出来たのではないかと思えた。その方が、葛藤があり物語的には面白いと思うが、その辺は、あっさりと描かれている感じがして、少し残念だった。「ターザン」=「熱血漢溢れる人」という印象があっただけに、肩透かしを食らった印象である。
 でも、CGは素晴らしかった。とてもリアルでゴリラとの対決シーンは迫力満点。2Dで観たが、3Dの方が迫力は更に上積みされていただろう。まだ、観ておられない方には、3Dをお勧めする。
 それにしても、ターザンを助ける役のサミュエル・L・ジャクソンが銃を構えると、「ヘイトフルエイト」とダブってしまい、ターザンとゴリラとの対決シーンは、レオナルド・ディカプリオの「レヴェナント 蘇えりし者」とダブってしまうという、製作された方々には大変申し訳ないが、本筋ではない部分で「REBORN?」してしまった作品であった。
(kenya)

原題:「The Legend of Tarzan」
監督・製作総指揮:デウィッド・イェーツ
撮影:ヘンリー・ブラハム
ストーリー・脚本:クレイブ・ブリュワー、アダム・コザット
出演:アレクサンダー・スカルスガルド、サミュエル」・L・ジャクソン、マーゴット・ロビー、ジャイモン・フンスー、ジム・ブロードベント、クリストフ・ヴァルツ