シネマ見どころ

映画のおもしろさを広くみなさんに知って頂き、少しでも多くの方々に映画館へ足を運んで頂こうという趣旨で立ち上げました。

「ダンボ」 (2019年、アメリカ)

2019年04月17日 | 映画の感想・批評


 1941年制作のアニメ映画「ダンボ」は30年ほど前、姑がテレビ放送を見ながら、「アメリカは戦争中にこんな夢のある素晴らしい映画を作っていたなんて。日本との力の差をまざまざと思い知らされたわ」とよく語っていた。その後、我が子達ともビデオを繰り返し見てきたし、母象との別れのシーンは音楽の良さもあって、涙なしには見られないものだった。普及の名作だった。

過去のアニメの名作を次々と実写化していくディズニー。ダンボは無理だろうと思っていたのに、難なくクリア。CG等の技術の凄さを改めて知らされる。
主人公のホルト(コリン・ファレル)の左腕のないことも、ダンボの愛くるしい目と動き、大きな耳、皆作られたものとしてみると、この先、いったい人間が表現できる限界はどこにあるのだろうかと思ってしまう。それほど違和感なく映像化に成功している。

アニメの話しとは少しストーリーが違っていて、どうだったっけと振り返りつつ、一緒に見た息子はその違いを探求していたらしい。
ピンクの象の行進は上手くアレンジしてあった。
ネズミのティモシーの活躍が見られなかったのは残念。

ティム・バートン、大ファンとは言えないが、「チャーリーとチョコレート工場」や「アリス・イン・ワンダーランド」のカラフルな映像とシュールな物語に、ある種の毒気を感じて、それなりに面白かった。
なのに、今作ではそれほどの緊張感が感じられない。題材から仕方ないのだろうか。
「グレイティスト・ショーマン」の主人公をモデルにしたのだろうか、悪徳興行主ヴァンデヴァ―。これ見よがしにお金でひっぱたくようなやり口には、銀行の融資も消え、胸のすく思いはしたが。
ウォルト・ディズニーへの皮肉?

英語がわかる人には[DREAMLAND]のDが無くなると意味が変わる面白さがあるのだろうが。

う~ん、前回執筆した「メリー・ポピンズ/リターンズ」のようなワクワクを覚えられなかったのが残念。
ダンボの可愛さは断トツだけれど。

アニメ映画の実写版、次は「アラジン」らしいが、いつまで続くのかな。

吹き替え版のメリット、竹内まりやの歌う「ベイビー・マイン」が聞けたこと。

(アロママ)

原題:DUMBO
監督:ティム・バートン
脚本:アーレン・クルーガー
撮影:ベン・デイヴィス
出演:コリン・ファレル、マイケル・キートン、ダニー・デヴィート、エヴァ・グリーン他