DAISPO WORLD BOXING EXPRESS

今年もやってるやってる~

ウラジミール、王座返り咲きならず(2団体ヘビー級)

2017年05月10日 01時21分59秒 | 世界ボクシング
先月末29日、英国で行われた試合結果です。
2団体ヘビー級戦:
IBF王者アンソニー ジョシュア(英)TKO11回2分25秒 ウラジミール クリチコ(ウクライナ)

*41歳になったばかりのウラジと、半年後に28歳の誕生日を迎えるジョシュアの対戦。2000年に初の世界王座を獲得する以前から注目していたウラジの勝利を願っていました。しかしヘビー級、いやボクシング界全体を見た場合、世代交代という意味で英国人が勝利したほうがいいことでしょうね。しかしウラジが世界王座に初めてついたのが17年も前ですか。凄いものです。

そうは分かっていても残念な気持ちで見たこの試合。しかしどうしてどうして。試合内容を見ると、勝利したジョシュアはもちろんお見事、そして敗れたウラジも十分にその能力を発揮しました。正直、結果は残念でしたが、試合内容にはホッとしました。

試合開始早々から両選手がパンチの交換を繰り広げていったこの試合。最初の山場は5回、そして6回に来ました。

5回のゴングと同時に連打でベテランを攻め立てたジョジュア。この試合最初のダウンを奪います。しかしダウンを奪ってからガス欠状態に陥った新鋭。それに加えてウラジの反撃でダメージを被ってしまいました。私(Corleone)はこの回、10対8でダウンを奪ったジョシュアとしましたが、ウラジはあともう一歩で10対9まで挽回しています。

そのキャリア初期には打たれ脆さとスタミナの無さを随所に暴露していたウラジ。この試合ではまったく別の姿を披露しています。ダウン後、失速どころか目の覚めた感のあるウラジ。6回にとんでもない右パンチを当てダウンを奪い返しました。その後のウラジ、残念なことに少々パンチを狙いすぎてしまい、それ以上のダウンを与えることが出来ませんでした。

6回以降の中盤戦、明らかにウクライナ人が主導権を握ったこの試合。10回終了時の採点では2対1(96-93、95-93、93-95)で英国人が若干リード。私は96対92で元王者を支持しています。

最終回となった11回、ジョシュアが初めてダウンを奪った5回と同様に、その回の開始のゴングと同時に怒涛の攻撃を加えていきます。1分過ぎ、右アッパーからの連打で2度目のダウンを奪ったジョシュア。その後ダウンをもう一つ加え、レフェリー・ストップを呼び込みましたが、初めのダウンですべてが決したと言っていいでしょうね。

自身最長の11回TKO勝利で強豪を撃破し、保持するIBF王座の3度目の防衛に成功した英国人。空位だったWBAスーパー王座、マイナー団体IBOのベルトも吸収しています。しかしそれと同時に、WBAからはルイス オルティス(キューバ)、IBFからはクプラト プーレフ(ブルガリア)との指名防衛戦を行うよう勧告が出されています。

残念ながら王座返り咲きに失敗したウラジですが、まだまだ第一線で戦えることを実証。本人も現役継続の意向のようです。願わくばジョシュアとの再戦を制し、その後勇退して貰いたいです。
コメント
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