現地時間の昨日(31日・水曜日)、豪州で行われた試合結果です。
WBOグローバル・スーパーウェルター級戦:
王者ティム チュー TKO5回2分29秒 挑戦者デニス ホーガン(共に豪)
*昨年8月に元世界王者ジェフ ホーン(豪)を破り、世界初挑戦に向け大きく前進してきた元統一スーパーライト級王者コンスタンチン チュー(露/豪)の実子ティム。世界ランキングではWBOの最上位、IBFでは前回より一つ落ちて3位、WBA7位、そしてWBC11位と各団体で高い位置につけています。
今回チューが拳を交えたのは、暫定王座を含め、3度世界王座に挑戦した経験を持つ同胞の先輩ホーガン。ここまでの戦績が28勝(7KO)3敗(1KO負け)1引き分けと、KO率は低いものの、チューがこれまで対戦してきた相手の中で最強の相手と言って過言ではないでしょう。
この一年、世界ランカーとして貫禄が付き始めたチュー。そんな世界王者候補生は、先輩を試合開始のゴングと同時に飲み込んでしまいました。左目じりから出血するというアクシデントがありましたが、的確なパンチでホーガンを徐々に、徐々にと追い込んでいきます。最終回となった5回には、踏み込んで見事な左アッパーを炸裂させダウンを奪う事に成功。結局はそれが決め手となりました。
強豪を見事なボクシングで下し、全勝記録を18(14KO)に伸ばしたチュー。また一歩、世界に前進したことになります。チューの世界初挑戦に関しては、世界王者たちの動向次第。次の試合で世界タイトル戦のリングに上がれなくても、定期的に試合はこなしていってほしいですね。
チューはこれまでにWBCの下部組織であるABCO(2017年10月)、WBAオセアニアの暫定(2019年2月)、豪州国内(2019年5月)、IBF豪州とWBOグローバル王座(2019年8月)を順次獲得してきましたが、今回の試合はWBOグローバルの防衛戦としてのみ行われています。
チューがの主戦場であるスーパーウェルター級の、2021年4月1日現在の王者たちの顔ぶれを見てみましょう。
WBA(スーパー):ジャーメル チャーロ(米/防衛回数0)
WBA(レギュラー):エリスランディー ララ(キューバ/1)
WBC:ジャーメル チャーロ(米/1)
IBF:ジャーメル チャーロ(米/0)
WBO:パトリック テシェイラ(ブラジル/0)
OPBF(東洋太平洋):空位
WBOアジア太平洋:井上 岳志(ワールドスポーツ/1)
日本:松永 宏信(横浜光/2)
これまでチューが対戦してきた相手は、癖のない選手が占めていました。今後上を目指していくのであれば、様々なタイプのボクサー達と拳を交えていくべきでしょう。チューのパンチを受け続けても前進してくるタフで、手数が多い選手と対した場合、どのように対処していくのか。実父が敗れたビンス フィリップス(米)やリッキー ハットン(英)はそんな選手でした。超絶的スピードの持ち主に対し、チューは普段通りのボクシングを展開出来るのでしょうか。チュー一世は、シャンベ ミッチェル(米)やザブ ジュダー(米)を捕まえるのに、一苦労も二苦労もしていました。ここまで順当な成長を遂げてきたチュー。今後、これまでと違ったタイプのボクサー達と対戦していく事になるでしょうが、そんな時どんな試合を演じるのか?注目です。