今から30年前の今日にあたる1994年7月15日、米国アリゾナ州で行われた試合結果です。
WBOジュニアフライ級戦(現ライトフライ級):
挑戦者マイケル カルバハル(米)判定3対0(119-108x2、119-110)王者ホスヘ カマチョ(プエルトリコ)
*この年の2月に、宿敵ウンベルト ゴンザレス(メキシコ)に判定負けを喫し、自身初の黒星を喫すると同時に、それまで保持していたIBFとWBCの2冠を手放してしまった「小さな石の拳」(カルバハルのニックネーム)。ターゲットを一旦マイナー団体のWBOの替え、世界王座への返り咲きに臨みました。
すでに4月に再起戦を行い、3回TKO勝利を収めているカルバハル。この再起第2戦目では15勝(6KO)2敗で、今回が2度目の防衛戦となるマイナー団体WBO王者カマチョを地元アリゾナ州フェニックスのリングに招聘しています。
(カマチョ(右/黒)と対峙するカルバハル)/ Photo: Vimes
カマチョは戦績が示す通りの非力なアウトボクサーで、初回から逃げ腰のボクシングでカルバハルの強打を避け続けることに専念します。逃げのフットワークに加え、接近すればホールディング(相手に抱きつく行為)で必死にカルバハルの強打を回避し続ける王者。初めから勝つ意欲が低かったように感じられました。
(逃げ腰のボクシングを展開したカマチョ)/ Photo: Facebook
そんなカマチョを相手に対し、カルバハルも前年1993年の年間最優秀選手に選ばれたカルバハルも、いまいちなボクシングを展開してしまいます。パンチ力、体格、そして経験で上回るカルバハルですが、柔軟性に欠けるというのでしょうが、前進しながらパンチを放つのみ。カマチョをロープやコーナーに追い込むものの、その強打を当てる事は出来ず、ラウンドを重ねていってしまいます。
(常に試合を支配したカルバハル)/ Photo: Youtube
結局は両者のボクシングがかみ合うことなく12ラウンドが終了。試合内容は何とか合格点ラインを超えたカルバハルが、大差判定でマイナータイトルを獲得。ゴンザレスとのラバーマッチ(1勝1敗のあとの第3戦目)に向け動き出すことになりました。
*この興行には、かつてはホープと謳われていた暴れん坊ジョニー タピア(米)も出場。3回TKOでNABFスーパーフライ級王座を獲得しています。薬物使用のため、3年半もの出場停止処分を受けていたタピアでしたが、この年の3月にリング復帰。今回のNABF戦はすでにリング復帰後5戦目となっています。
(NABF王座を獲得したタピア。肩に提げているのは以前に獲得したUSBAタイトル)/ Photo: JO Sports Inc.