今から30年前の昨日となる1994年12月17日、ドイツで行われた試合結果です。
WBOクルーザー級戦:
挑戦者/WBOライトヘビー級王者ダリウス ミハエルゾウスキー(ポーランド)KO10回1分25秒 王者ネストール ジョバンニー二(亜)
*1990年代半ばのドイツ・ボクシング界は、今の大英帝国の大繁栄を彷彿させるような大きな盛り上がりを見せていました。特に外国籍の選手の活躍が顕著で、そのためドイツ国内には生粋のドイツ人用の国内タイトルと、ドイツ国内で活躍する外国籍向けの国内タイトルが存在していました。そんな外国籍の代表の一人がこのミハイルゾウスキーとなります。
ミハエルゾウスキーはこの年の9月に、WBOライトヘビー級王座を獲得したばかり。今回は一階級上のクルーザー級王座に挑戦する事になりました。当時のクルーザー級は190ポンド/86.18を上限としていました。しかしこの試合は、ライトヘビー級の上限を僅か5ポンド/2.27キロを超える180ポンド/81.66キロの契約で行われています。いくら地元ミハエルゾウスキーを勝たせたいとはいえ、ここまでくると度が過ぎていますね。
僅か3ヶ月前にライトヘビー級王座を獲得したばかりのミハエルゾウスキーの新たなターゲットとなったのは、一言でいえば実力は3流のジョバン二ー二。第4の世界王座が限界の選手だったと言っていいでしょう。そんな王者を相手に、一階級下の世界王者は序盤から試合を優位に進めていくことになりました。
(ミハエルゾウスキーの標的となったジョバン二ー二)/ Photo: Sport & Note
ストレートのような左ジャブと固いガードを主武器に、相手に襲いかかるミハエルゾウスキー。そのボクシングは良く言えば安定しており、逆を言えばワンパターン。しかしそのスタイルで世界の頂点まで駆け上がってきました。単調なボクシングのジョバン二ー二は、そんなミハエルゾウスキーにとり格好の相手となりました。
(回を追う毎に追い詰められていったジョバン二ー二)/ Photo: Youtube
回を追う毎に追い詰められていったアルゼンチン人。9回にはミハエルゾウスキーの見事な右でダウンを喫してしまいます。その回は何とか生き延びる事が出来たジョバン二ー二でしたが、続く10回には左のショートパンチを食らい完全にKOされてしまいました。
異国人ながらも、大歓声を背に見事なボクシングを見せ、僅か3ヶ月の間に2階級の世界王座を獲得したミハエルゾウスキー。この試合後は、本来のライトヘビー級に戻り長期政権を築いていくことになります。
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