今から30年前の昨日となる1995年1月7日、米国テキサス州で行われた試合結果です。
WBCフェザー級戦:
挑戦者アレハンドロ ゴンザレス(メキシコ)TKO10回終了 王者ケビン ケリー(米)
(凄まじい激戦が年明け早々に実現)/ Photo: Youtube
*30年前となる1995年、新年早々7日目からとんでもない試合が行われました。1993年師走に強豪グレゴリオ バルガス(メキシコ)を破りWBCフェザー級タイトルを獲得したケリーが、3度目の防衛戦でバルガスの同胞ゴンザレスを迎える事になりました。
41戦全勝(29KO)という素晴らしい戦績の王者に対し、22歳の若い挑戦者は34勝(24KO)2敗とこちらも王者に劣らぬ好戦績の持ち主。両者のレコードを比べただけでもエキサイティングな試合になる事が容易に予想できる一戦でした。
試合は初回のゴングと同時に、火の出るような打ち合いが繰り広げられることになりました。仕掛けたのは若さと勢いで無敗の王者打倒を目論むゴンザレス。角度の良い左右のパンチをケリーに浴びせていきます。本来は、持ち前のスピードとパンチのシャープさで対戦相手を翻弄するケリーですが、第一ランドから完全にゴンザレスのペースに巻き込まれることに。経験で勝るケリーも必死で抵抗を見せますが、ゴンザレスの驚異的な手数の前の後手の展開が続いてしまいます。
6回、コブリータ(ゴンザレスのニックネームで、スペイン語でコブラという意味)の右ボディーを交えたコンビネーションの前に常勝将軍ケリーがダウン。「これで試合終了か!?」と思わせるような大ダメージを受けてしまったケリーですが、ここは必死で持ちこたえます。迎えた8回、ストップが早いレフィリーなら試合を止めているほどの防戦一方となったケリーですが、サウスポー(左構え)からの左パンチでお返しのダウンを奪い王者の意地を見せます。
その後も激しい打ち合いを繰り広げた両者でしたが、常に勝ったのはゴンザレス。パンチによるダメージに加え、ケリーの左目を大きく腫らし、精神的にも王者を追い詰めていきました。10回終了後、心身ともに限界を超えていたケリーは、自陣営の判断から試合から降りる事に。大激戦の末、誇り高き敗者となってしまったケリーでしたが、ケリー陣営の試合放棄の判断には、選手を守るという観点を大いに支持され賞賛の声が多く聞かれました。
年間最高試合に選ばれてもおかしくない激闘を制し、緑のベルトをメキシコに持ち帰る事に成功したゴンザレス。試合後、ボクシング大国の明日を背負って立つスーパースターが誕生したと絶賛されました。しかしコブリータが短命王者に終わるとは、だれが予想していたのでしょうか...。
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