勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

一葉桜まつり

2012-04-16 01:00:50 | Weblog
 ソメイヨシノが咲き終わる頃に咲き始める桜がある。淡紅色の大輪八重咲きの一葉桜(イチヨウザクラ)は、1本の葉化した緑色の雌しべを出して咲くことから「一葉桜」と名付けられたという。 


 「オクアサ」と呼ばれる浅草観音裏の各通りでは、一葉桜が見頃を迎えている。この界隈には樋口一葉のメモリアル施設、一葉記念館があり、一葉桜は街のシンボルにもなり、道行く人たちを和ませてくれる。


 観音裏の通りのひとつ、小松橋通りに植えられた200本の桜が、ひときわ華やかに輝く日がある。毎年、一葉桜が見頃を迎える、4月の第二土曜日に行われる「一葉桜まつり」は、生憎の雨となり、日曜日に順延になった。


 土曜日に降った雨も上がり、天気にも恵まれたこの日、一葉桜まつりのハイライトでもある、花魁道中が行われた。近くには花魁道中の発祥の地でもある、吉原という歓楽街があり、江戸吉原の伝統文化が受け継がれているのである。



京都の内八文字に対し、江戸の外八文字でそろりそろりと歩く姿は江戸の粋か、それは、あたかも動く絵巻物。



登場した2人の花魁は、肩貸しの男衆と傘持ちの男衆を従えた、「藤浪太夫」と「象潟太夫」。


 満開の一葉桜の下、手古舞・女木遣りや、禿(かむろ)に振袖新造、更には男衆の付き人をたちを従えての、浅草観音裏の豪華なショーは、次のステージへと舞台が変わる。


特設舞台では、ここでしか見られない、花魁ショーの幕開けである。



道中の時には、右手に金棒、左手に自分の名前を書いた提灯を持って歩く、男の扮装の女木遣りのお披露目に続き、花魁ショーの始まりである。



舞台上での花魁のお披露目が終わると、お大臣と太夫とのやりとりが始まる。そこに繰り広げられるのは、江戸の昔の郭の遊び。



浅草観音裏で繰り広げられた、花魁道中と花魁ショーは、祇園精舎の鐘の音にも似た、春の夜の夢の如きひと時でもあった。