かなり画質の悪いDVDで一度見た事のあった映画「ドリラー・キラー マンハッタンの連続猟奇殺人」をまともな画質で久しぶりに見直す。ちゃんとした画質だと16mmかな?のフィルム独特の味や質感もあり荒々しくチープで雑な撮影に生々しさも感じられて急な場面転換とか何が起きるか分からない感じとイライラが募る変な感覚が映像からも伝わりました。あの時代のニューヨークの病んだ環境が見事に出ていたと思います。危険で恐ろしい感じがありますが魅力もありました。貧乏だけど芸術や音楽等に真剣に向き合い創作活動に夢中になる若き情熱やうまくいかない現実や恋愛関係なんかのストレスが創作では発揮出来なくなって病んで壊れて危ない方向で発散してしまう恐ろしさと哀れさが出てました。
そんな感覚を監督・主演で作品に反映していたようなリアルな感覚があります。
やたらと長いパンクバンドの演奏場面も荒々しい好きな感じの音楽で良かったです。汚く危険で病んだマンハッタンの世界感のダークな魅力と若き勢いというか力が変な魅力を持った怪作でした。