栃木県はが郡の

陶工のつぶやき

ラジオを聞いて思い出した

2014-04-06 23:54:31 | 雑記
ラジオを聞いていて思い出したことがあった

私が小学校の一年か二年のころ

初めて秋田市の木の内デパートと言うところに連れて行ったもらった

地方の小さな町に住んでいたので

目にする物すべてがオドロキで

おそらく今の子が初めてディズニーランドに行ったのに等しいヨロコビだったと思う

ジュースの販売機の上の部分が透明な提灯型になっていて

ジュースの噴水になっている

チョコやキャンディが棚田状のケースに溢れんばかりに入れられ

華やかに飾り付けられた売り場で

揃いの制服に揃いの被り物をした女の人達が

にこやかに応対している

子供心におばさんたちと思ったが

天下の木の内デパート

お姉さんたちだったかもしれない

屋上には遊園地があり

メリーゴーランドや観覧車やゴーカートなどがあった

エスカレーターと言う物も初めてであった

乗ろうと思っても次から次へと階段が現れ乗れなかったのである

親に手を引かれなんとか乗ったものの

みるみるうちにあがっていき

さっき現れた階段が次第に平らになって二階の床に吸い込まれていく

バリカンの口のようなその部分がぐんぐん近づいてくる

私の足がそのバリカンに挟まれると思ったその時

親の手でぐいと持ち上げられ

スリリングなアトラクションは終わったのだった

そしてまた

エレベーターには

先ほどのチョコやキャンディの売り場の女の人とは

明らかに違う種類の高級感あふれる女の人がいて

さらに明らかに秋田弁とは違う言葉で

「上へ・まいります。」と言う

見たことのない帽子をかぶり

白い手袋をして数字のボタンを押すのであった

初めて乗ったエレベーターで乗り物酔いのような状態になり

扉に挟まれないよう大急ぎでエレベーターから降りた

デパートと言うのは上に行くにも下に行くにも

なかなかデンジャラスな所だと思った

上の階の食堂でカレーライスを食べた

ご飯とは別に銀色の魔法のランプのような器にカレーが入れられ

さらに福神漬やらっきょうなどが入った長方形の3つに仕切られた器が出てきて

持ち手を倒すと自動的にフタが開くと言うからくり

テーブルの上には調味料の他に

お金を入れるとおみくじのような物が出てくる球体の物があって

そういう物を見なくてはならないので

ゆっくりカレーを食べる余裕などないのである

紺色の制服に白い小さなエプロンと

あれは何というものなのか

頭にもエプロンを小さくしたような帽子のような物をつけ

ウエイトレスさんが行ったり来たりしている

ウインドウの中には本物の料理とそっくりな作り物が

ところ狭しと並べられ

ガラスにへばりついてそれらを眺めていたような気がする

ホットケーキはどこかで食べたことがあって

初めてではなかったけれど

デパートのそれは高さが全然違い

さらに一番上に四角いバターがのっている

目を移動すると

大きな皿に野菜やハンバーグなどがのって、ご飯の上に旗が立っているものがある

山のてっぺんに旗を立てている絵を本で見たことはあっても

ご飯の上に旗が立っているのは初めてであった

きりがないのでこの辺でやめにするけれど

東京オリンピックのころの話

急速に世の中が変化していたのを子供心に記憶している