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従来の育成年代の枠組みの弊害

2019-12-07 10:36:03 | Weblog

健康運動指導士 星です。

 

なぜ、中学生年代には技術練習とイコールで体力づくりなのか。

先日は中学生のフィジカル(体力)の現在地を知るために野球選手と、サッカー選手の中学生対象に体力テストを実施しました。

握力、垂直跳、背筋力などの共通な基本6種目と競技に応じた追加種目で能力を数値化しました。

これで本人たちに目標を目に見える形で提示できます。それはバランスよく上げていく必要があるからです。

 

このような我がクラブの試みは世界のスポーツ界ではスタンダードになってきています。これは自分が陸上競技を専門でやってきた経験則にもあてはまるのですが、育成年代において実年齢で区切らずに発育過程によってそれぞれ個々にトレーニングを進めるという「原則」に基づいています。CFアトレティコ魚沼サッカースクールではボールを蹴る以前に様々な能力を開花させるようなフィジカルプログラムを実践してもらってます。

 

プライオメトリックジャンプ(数種類のジャンプの組み合わせで体の軸をつくる)や倒立、側転、などのバランスと重心を意識させるようなもの、あとはボールを蹴るのではなく投げたり、手で転がしたりするような体全体の反応や反射を使ったコーディネーショントレーニングなどです。

 

このようなトレーニングを13歳14歳でやっておくことで、仮に身体的、筋力的な成長が遅かったとしても、この先に幅広い運動能力を状況に応じて開花させやすいフィジカル環境になると予想が立ちます。同じスポーツばかりやるだけではこの幅広い能力は身につかないのです(もちろん、感覚の良い選手は日々のサッカーの練習で偶然身につけられる場合もあるのですが)。

 また成長が早いタイプの一般的に早熟と言われる子供たちは、カラダが他の子よりも素早く力強く動くことができるために、ボールを扱う技術も早く磨かれますが、その反面で局面に応じた能力の使い分け(ボール技術の引き出し)が苦手な場合があるので注意が必要です。無意識に体を動かせるので、うまく「認知」して動くことがができない傾向があります。その動作の再現性に欠けてしまうということになるのです。

 その早熟型の選手においても、このようなトレーニング方法は十分有効だと考えています。この時期にボールを蹴ってばかりいては逆にサッカーが下手になるという理論もあるということを中学生に示していきたいと思います。(もちろん数あるうちの一つの方法論として、です)

この中学生たちが20歳を過ぎて、いや30歳を過ぎてもすばらしい選手になっていたら、これらは成功の一端だといえるでしょう。発育過程の真っ只中の10代ではその能力全ては開花しきれないのです。ましては18歳ではまだまだ能力が伸びていく時期なので、やめることはすごくもったいないです。(日本では18歳で半数の選手が競技から離れてしまう)

先日は地元のケーブルTVの取材を受けました。インタビューの中で中学生はサッカーそのものと同様に運動すること自体が楽しいと感じてきているようです。中学生年代にこのような体力づくりの各種目で共通なプログラムを実施できれば、高校生になっても社会人になってもそれが活かされると思います。私たち自分の経験則のみの指導方法ではなく、目の前にいる中学生の成長に合わせたやり方を模索していく必要があります。早熟型と晩成型を一緒くたにしてはいけないのです。

 

魚沼特有の地域性や、住民気質の特徴に合わせるやり方で私たち指導者もワクワクしながら進めていきたいと思います。

 

 

 

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