健康運動指導士 星です。
コロナ禍で子供の体力低下が心配ということがよく聞かれますが、実は逆に「チャンス」ととらえてはいかがでしょうか。
この一年で子供たちは運動する機会が激減した、というのは実は体力低下の原因に入りません。
言い切ってしまうのはどうかと思いますが、あえて言い切ります。笑
確かに子供たちは学校での運動会やその他のスポーツ大会、イベントなどの中止で運動する場が減ったのは事実です。
ですがこれによって、一年間で体力が著しく低下したということではないと考えます。
真剣にスポーツに取り組んでいる少年少女であれば、主要な大会が開かれなかったためにその成果をみせる場を失ったと言えるでしょう。
その用意された輝く場所で活躍できれば、技術、体力ともに一定のレベルまで達することができたという確認が自他ともにできます。
ですがそれは真剣にスポーツに取り組んでいて、その場に上がることができるごく一部の「競技関係者」の感想であり、一般の少年少女には当てはまりません。
重要なのはもっと家庭の中にある(それが地域クラブでもいいのですが)運動習慣でその中での基礎体力の獲得であり、その先のスポーツ種目における運動技能はまた別に考えないといけないのです。
コロナ禍でも運動習慣をしっかり身につけていれば、さほどその子の将来には影響がないと思います。
それが普段活動量が少ない生活を送っていると、このような事態になったときにその状態が顕著に表れてしまいます。
スポーツに取り組むのはとてもいいことですが、そもそもの活動量が大事で、それがベースとなり基礎体力が身につくことになります。
基礎体力と多様な運動能力(さまざまな体験)を意識して生活するとスポーツを始めてもすんなり技術を身につけられることでしょう。
これにともなった現代の問題点としてはスポーツの単一種目特化(種目を一つに決める)や開始時期の低年齢化があるように思います。
よく例に挙げられるのはタイガーウッズとフェデラーです。
タイガーウッズが才能を発揮しだしたのはなんと2歳です。
それに気づいた親たちは早期にゴルフの英才教育を施します。
幼少期から種目に特化した質の高い意識的なトレーニングはうまくいけば結果が出やすく、その方法論は世間に広まっていきました。
これがもとで、他のスポーツ種目でもこのタイガーウッズの方法論を用いられることが持ち入れられていることでしょう。
一方で、テニスの超一流プレーヤーであるフェデラーは全く逆のアプローチで頂点に君臨し続けています。
(タイガーウッズも未だに現役ではあるが、復帰できるか微妙な状況です。)
フェデラーはある年齢まではあらゆるスポーツを気軽に楽しんでいて、サッカー、バスケットボール、バドミントン、卓球など球技種目すべてが得意だったそうです。
それに加えてスキー、水泳、スケートボードなどもアクティブスポーツもうまくこなしていたらしいので、幼少期から楽しんで運動することで自然に基礎体力が培われ、身体操作そのものが上達していったとえます。
これは誰からも教えられず、自然にすべてを身につけられたという証拠です。
13歳で数ある選択肢の中からテニスを選んだそうだが、同時にサッカーでも頭角を表したというのでスポーツの天才ですね。
早期に単一種目に特化していたら世界一の偉大なテニスプレーヤーはナダルのものだったかもしれません。(最近はジョコビッチもこのレベルに到達しましたね。)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
さて、子供たちの体力低下は現代社会の縮図です。コロナ禍でそれが見えただけで、もともとあったのです。
スポーツを始めてからも基礎体力はもちろんつきますし、スポーツに幼少期から楽しむことはもちろんいいことです。
しかし、少年期までは修行のようにやることはお勧めしません。
まずは日常のなかでできるだけ体を動かすようにしていくのが子供から大人まで意識することです。
20代でもスポーツが楽しめるように、その準備として子供のころからアクティブに過ごすことで、息の長いスポーツライフが送れることでしょう。
フェデラーは現在39歳、全てを勝ち取っているのに少年のような気持ちでトレーニングしているのが印象的ですね。