まるで寝耳に水のように驚く商工会議所会頭。
市長も知事も驚いたふり。
そごう閉店の報に対する彼らの反応は滑稽で腹立たしい。
百貨店が時代に見放された商業形態であることは周知の事実。
全国で閉店が相次いでいる。
あの神戸三宮のシンボル、そごう神戸ですら時代の波に流された。
人口減の著しい徳島が、その例外であるはずもなく、そごうが撤退することは大方の県民が危惧していたこと。
それをまるで「寝耳に水」の如くに驚いてみせる経済、行政のトップ。
もし本当に予測していなければ「ただのバカ」だし、そのフリしているとすれば県民を欺く「タチの悪いバカ」
どっちにしろロクなものではない。
駅西の狭小地に音楽ホールをつくるという無理筋の計画も、木工会館をアミコビルに移転させるという無粋な計画も、駅周辺の活性化に行政は前向きであるという、そごうに対する切ないアピール(逃げないでください)だったという見方もある。
反対の声を無視しても大資本にシッポを振った行政は、呆気なく袖にされた格好。
格好悪いから「寝耳に水」と言わないわけにはいかない。
「ただのバカ」より「タチの悪いばか」を選んだのだろう。
ところが徳島市長はこう呟いてしまった。
「新たなテナントを見つけるため既に動いている」
何だやっぱり分かってたんじゃない。
駅西のホールは当然のように頓挫し、文化センター跡地でつくられる。
木工会館は関係者の強力な反対を無視してアミコビルへの移転を強行する。
木工会館のゴリ押しの理由はアミコビルの空洞化を防ぐためという目論見がバレてしまった。
徳島駅のクレメントは空きスペースが目立つ。
そごう撤退後のアミコビルを想像するとゾッとする。
県都の駅前に建つ、巨大な廃墟ビル・・・。
「新たなテナント」という言葉は虚しく響く。
今更、百貨店は来ない。
どんな「テナント」をイメージしているのか。
目端の効いた首長や経済界なら、そごう閉店を察知した時点で次の手を打っているはず。
この時点で「寝耳に水」のフリをするということは、イコール「お手上げ」ということだろう。
一発逆転サヨナラホームランを期待したいのだが・・・。