コロナになって、日常が変化。
旅はキャンセルしたし、観たい映画は見逃したし...。
久しぶりに映画館に行った。
「関心領域」
カンヌのグランプリ作品。
いやあ、怖い映画でした😱
アウシュビッツ収容所の隣の豪邸で暮らす、ルドルフ・ヘス一家の日常を淡々と描いただけのもの。
花が咲き誇る庭で、幸せを享受する家族。
「楽園ね」なんて言いながら。
高い塀の向こうからは、絶えず、叫び声や銃声などが聞こえて来るが、一家にとってそれは鳥の鳴き声と何ら変わらない「音」でしかない。
一家にとっての関心領域は塀のこちら側だけ。
大勢のユダヤ人が殺されることなどどうでも良い事なのだ。
淡々と進む描写に退屈するが、それこそがテーマ。
人は己の関心領域以外には無関心だし、退屈なもの。
そうやって世界は塀の向こうに目を瞑り続けて来たし、続けている。
そういう意味では、われわれは皆、ヘス一家なのだ。
その事に気づいて愕然とさせられる。
怖い映画だ。