娘帰る

娘が彼氏を連れて帰ってきた。

どんな男を選ぶのか気になっていたが、案ずることはなかった。

伊豆出身の好青年。

IT企業の営業マンだという。

 

娘の１つ年上。

出会いは大学時代。

友達を介して知り合ったらしい。

 

ちょうど昼時。

娘のリクエストで徳島ラーメンを食べる。

 

スーパーに行きたいというので連れていくと、買い求めたのは大野のりにフィッシュカツ。

大阪ではなかなか手に入らないらしい。

 

夜は寿司屋に行く。

彼氏は酒が飲めない。

「お父さんが酒豪だから反対の人を選んだんじゃない」と店の大将に冷やかされる。

 

一緒に酒を飲めないのは残念だが、まあ良しとしよう。

 

娘はおよそ１年前に転職した。

３つ目の仕事。

これまでは色々問題ある職場だったようだが、今は恵まれているという。

彼氏は東京の大学を卒業し、東京で勤めていたが今年から大阪の企業に転職して働いている。

 

まだ籍は入れていないが、いずれと見越しての転職だろう。

 

娘は来年３０歳になる。

幸せであれば良いと、父は寿司を頬張る娘たちの前で酒ばかりを飲み続けた。