ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

アンヴィル!~夢を諦めきれない男たち~

2009-09-28 23:21:03 | あ行
う~風邪ひきばびだ。すんません。

そんなテンションのなか
ガツンと感動させていただきやした

「アンヴィル!~夢を諦められない男たち~」77点★★☆


かのマイケル・ムーアも
「ここ数年のドキュメンタリーで最高傑作!」と絶賛したそうですが
(しかしあちこちでこのフレーズ言ってないか?オッサン


これが
まさにあのミッキー・ローク主演「レスラー」の
実録版なんですわ。
(題材はヘビメタだけど)

あの映画でワシが見たかった
「栄光のその後のリアルな人生」が
ここにある!


1984年に来日公演も果たしている
「アンヴィル」というメタルバンドが主人公。

メタリカとかにも影響を与えたバンドだそうだけど
なぜかブレイクにいたらず
泣かず飛ばずで30年。

当時のメンバーたちは
すでにオーバー50歳。

が、しかし!
彼らはいまも故郷・カナダのトロントで
地味な日常をこなしつつ
ヘビメタに人生を賭けているという
ドキュメンタリー。


ボーカルのリップスは
普段は給食デリバリーの仕事をしており
ビニール・キャップを被って
地道~に働いてる。
まさしく「レスラー」のミッキー・ロークそのもの!


そのリップスとバンドのドラマー・ロブとは
15歳からの幼なじみで
35年も友情を続けてる。


そんな彼らが
一発逆転を狙って
世界ツアーに出てみれば…という
ドタバタ珍道中などが描かれます。


「売れたい!」という願いは
もちろん真剣なんだけど

メンバーをはじめ、周囲の人たちが
どこか田舎らしいというか
のんきで明るく、ずっこけで楽しい。


そもそも映画を撮った監督からして
高校生のときに
アンヴィルのツアーローディーをしてたっていうんだから
なんかいいよなー。


その実
成功者とあと一歩及ばなかった者の差とは何なのかも
シビアに見えてくる。

そしてクサいけど
名声や金よりも大事なものも、ここに映ってる。


「人生はあっという間に過ぎ去るんだ。だからいまやらなければ」
というロブの言葉が
ずしんと響きました。


★10/24からTOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国で公開
コメント (2)
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