「ウディ・アレンの夢と犯罪」84点★★★
傑作「マッチポイント」以来、
ずっと女(スカーレット・ヨハンソンね)と
コメディに寄りすぎて不発だったウディが
ついにやってくれました!
↑
パンフレットのビジュアルも
最高じゃないですか?
ユアン・マクレガー×コリン・ファレルという
二大スターを兄弟役にして
犯罪におけるギリギリの心理劇を
シリアスに描ききってます。
舞台は労働者階級が暮らすロンドン南部。
投資ビジネスでの成功を夢見る兄(ユアン・マクレガー)と
自動車修理工の弟(コリン・ファレル)。
地道に生きてきた2人が
一艘の小型クルーザーを手に入れたことで
運命の歯車を狂わせていく……という話。
まずは主演二人の
絶妙なアンサンブル演技に拍手。
ごくシンプルな犯罪劇を
人間の内面に迫って描くいわば古典的犯罪モノですが
そこは老獪なウディ・アレン節が炸裂で、
会話の妙にユーモアも交えて
決して古くさくなく
かなりスリリングなドラマになってます。
シーンのハラハラを盛り上げる
フィリップ・グラスの音楽もグッド。
重要な舞台となるヨットといい
野望と若さゆえに転がり落ちる若者といい
「太陽がいっぱい」へのオマージュを感じさせる
“映画らしい映画”です。
このところ70点~80点台の高得点が続いてて番長ホクホク。
番長の採点は70点以上が「お金を払って観たい」ライン。
この調子でいきたいものです。
★来年春、恵比寿ガーデンシネマほかで公開。
「ウディ・アレンの夢と犯罪」公式サイト