ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

NECK ネック

2010-08-12 19:52:35 | な行
明るいホラーでも、怖いことは怖いっ。

「NECK ネック」51点★★


“貞子”タイプのホラーに
ラブコメを混ぜた異色作です。


大学院生の真山(相武紗季)に
一目惚れした首藤(溝端淳平)は
ある日、彼女に思い切って告白をする

だが真山の返事は
「あんた、怖がりか?・・・・・・」


その夜、首藤はわけのわからぬまま
真山の研究室に呼び出される。

そこにあったのは
「ネックマシーン」という機械だった。

真山は人間の想像力が
お化けを生み出すと信じ
ネックマシーンでその研究をしているのだ。

首藤は真山の研究に協力するため
ネックマシーンに入り
怖い映画を見続ける。

すると思わぬことが起こり・・・・・・?


昨日、取材先で
「どういうホラーが怖いか」という話が出まして

アメリカ産では
「パラノーマル・アクティビティ」系が
一番怖いかなあ、という結論。

あと
スペイン・メキシコ合作の
「永遠の子どもたち」。

あれはニコール・キッドマンの
「アザーズ」に通じるものがあった。怖い怖い。

つまりこれ「見えない恐怖」。


でも帰り道、日本が独自文化として持っている
和製ホラージャンルも
あるなあと思いついたんです。

すなわち「リング」の貞子系。
あるいは伊丹十三製作総指揮の「スイートホーム」。

貞子系はとくに「見える恐怖」ってやつ。


で、思い出したのがこの映画。

コメディ素地に
まさしくこの2つの和製ホラー風味を加えてあって
つまり風呂桶に髪の毛が!うわーっという
気味の悪さですね。

で、
コメディ×ホラーがどうなるかというと

やっぱりホラー部分の印象のほうが
強烈に残るなと感じました。


ただコメディ部分も悪くなく
相武×溝端コンビの会話がけっこう弾むので
中盤まで笑いながら
ビビったりしていました。

しかし後半「チャイルド・プレイ」ふう展開から
まさかのラストにガックリ。

収束のまずさが
もったいないなーという印象です。


まあ、夏の夜
さまざまなホラー映画について
考察するきっかけにはなりました。ハイ。


★8/21から全国で公開。
「NECK ネック」公式サイト
コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする