この映画、2回見て
だいぶ印象が変わりました。
「トイレット」70点★★★
「かもめ食堂」の荻上直子監督の新作です。
舞台はカナダ。
母を亡くした
プラモおたくの次男レイ、引きこもりの兄モーリー、
大学生の妹リサの三兄妹は
母が生前日本から連れてきた
ばーちゃん(もたいまさこ)と暮らすことになる。
英語がしゃべれないばーちゃんは
なぜかいつも
トイレから出るたびにためいきをつき
レイはそれが気になってしかたない……。
最初みたときは
「う~ん」と思ったんです。
オールカナダロケで
全編英語で
もたいまさこが一言もしゃべらない、という
シチュエーションの妙だけで
ほかはバラバラな家族や死、など
ありがちで目を引きやすい素材を集めただけに見えて
なんか残尿感が残った。
でも、2回見たら
意外と素直に見られたんですよ。
なんででしょうね。
単に期待が高すぎたのか?
コピーに
「ホントウの自分で、おやんなさい」とあるんだけど
ああ、受け取るものはそれでいいんだ、と。
自身はどっしり不動ながら
周囲を動かしていく
もたいさんの存在感が波及して
三兄妹がそれぞれホントウの自分を見つける。
その素直なメッセージで
この映画
十分かもなあという気になりました。
昨日、これまた
もたいさん主演の「マザーウォーター」(10/30公開)を見てて
つくづく思ったんですが
この「かもめ食堂」から続く
ゆるいシリーズは
わかっている人が、そこに流れる空気を買う、という
感じなんだと思います。
番長、正直「かもめ~」以降
「めがね」も「プール」(これは大森美香監督)も
初見では必ずダメなんですよ。
なーんか鼻白む感じで。
でも
それぜ~んぶ2回見てるんですよねえ(苦笑)。
え?素直になれって?
すいません……。
あとお知らせをば。
今日発売の「週刊朝日」9/3号に
拙者が構成いたしました
もたいまさこ×片桐はいり対談が掲載されてます。
「トイレット」話から
「かもめ食堂」秘話、そして
おひとりさま談義もチラリ。
ゆったりまったり、お楽しみください
★8/28から新宿ピカデリーほかで公開。
「トイレット」公式サイト