ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

トイレット

2010-08-24 10:19:45 | た行

この映画、2回見て
だいぶ印象が変わりました。

「トイレット」70点★★★


「かもめ食堂」の荻上直子監督の新作です。


舞台はカナダ。

母を亡くした
プラモおたくの次男レイ、引きこもりの兄モーリー、
大学生の妹リサの三兄妹は

母が生前日本から連れてきた
ばーちゃん(もたいまさこ)と暮らすことになる。

英語がしゃべれないばーちゃんは
なぜかいつも
トイレから出るたびにためいきをつき
レイはそれが気になってしかたない……。


最初みたときは
「う~ん」と思ったんです。

オールカナダロケ
全編英語で
もたいまさこが一言もしゃべらない、という
シチュエーションの妙だけで

ほかはバラバラな家族や死、など
ありがちで目を引きやすい素材を集めただけに見えて

なんか残尿感が残った。

でも、2回見たら
意外と素直に見られたんですよ。

なんででしょうね。
単に期待が高すぎたのか?


コピーに
「ホントウの自分で、おやんなさい」とあるんだけど

ああ、受け取るものはそれでいいんだ、と。



自身はどっしり不動ながら
周囲を動かしていく
もたいさんの存在感が波及して

三兄妹がそれぞれホントウの自分を見つける。

その素直なメッセージで
この映画
十分かもなあという気になりました。


昨日、これまた
もたいさん主演の「マザーウォーター」(10/30公開)を見てて
つくづく思ったんですが

この「かもめ食堂」から続く
ゆるいシリーズは
わかっている人が、そこに流れる空気を買う、という
感じなんだと思います。


番長、正直「かもめ~」以降
「めがね」も「プール」(これは大森美香監督)も
初見では必ずダメなんですよ。

なーんか鼻白む感じで。

でも
それぜ~んぶ2回見てるんですよねえ(苦笑)。

え?素直になれって?
すいません……。


あとお知らせをば。

今日発売の「週刊朝日」9/3号に
拙者が構成いたしました
もたいまさこ×片桐はいり対談が掲載されてます。



「トイレット」話から
「かもめ食堂」秘話、そして
おひとりさま談義もチラリ。

ゆったりまったり、お楽しみください


★8/28から新宿ピカデリーほかで公開。

「トイレット」公式サイト

コメント (2)
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