制作・サンライズったら
「イデオン」「ザブングル」でしょー!
・・・え?古い?
「カラフル」73点★★★
「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲」(2001)など
「(意外に)オトナも楽しめる」アニメ監督として
評価の高い原恵一監督が
森絵都のベストセラー小説を映画化したものです。
主人公は死んでしまった「ぼく」。
「ぼく」はなぜか
下界に戻って再挑戦するチャンスを与えられる。
「ぼく」が入りこんだのは
中3で自殺した小林真(まこと)の体。
真として学校に通い、その家族と暮らすうちに
「ぼく」は真がクラスメートから
「いないもの」とされていたことや
平凡に見える小林家のほころびに気づいていく。
やがて「ぼく」は
真の自殺の理由を知ることになり……。
いや~
日本のアニメーションのクオリティはやっぱりすごい!
とにかく絵がいいんですよねえ。
ありふれた住宅街や、家庭の食卓、
そんな日常が“絵”になることで
とても新鮮なものになる。
この楽しさは、格別ですよ。
ジブリ作品でいうと
「耳をすませば」の街の風景が
大好きな人は、まずいけるかもしれません。
特に筆者には
舞台となる等々力→二子玉周辺の風景が
実に懐かしくツボでした。
ごはんのシーンもどれも美味しそうで
「あ、今夜豚しゃぶ鍋にしよ」とか思っちゃった。
絵なんですけどねえ。
ただ、ストーリーが常に中3の視点と
脳みそのキャパシティのなかで描かれるので
例えば
真が母親に対する嫌悪感をいつまでもぬぐえずに
ネチネチと拒絶を続けるシーンなど
正直イライラする場面もあります。
「いつまでふくれてんだよ、青いなあ」って。
でも、これこそが
おそらく中学生のリアル心情でしょう。
思春期のモヤモヤって
そんなにカンタンに消えるもんじゃないし
「ある日突然、ボクは目が覚めた!」とか
実際にはあり得ないから。
本作はかつて中学生だった人には
こうした自己嫌悪と甘じょっぱい感覚を
現・中学生には
単純そうで実は到達しずらい
「ダルくてウゼー毎日と、10代を生き抜く奥義」を
教えてくれる作品かと思います。
中学生とその親世代に
ぜひ見て欲しいなあ。
★8/21から全国で公開。
「カラフル」公式サイト