ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

ようこそアムステルダム国立美術館へ

2010-08-14 17:00:59 | や行

もめ事は、対岸からだと、ちとおもしろい。

「ようこそ、アムステルダム国立美術館へ」56点★


レンブラントやフェルメールやら
偉大なる傑作を有する
オランダ・アムステルダム国立美術館。

その改装工事を4年かけて
追ったドキュメンタリーです。


でも
「ステキな美術館がどんどん完成していく」
ビフォーアフター映画かと思ったら大間違い。

これがもう
すったもんだで大変なんですわ(失笑)


はじまりは2004年。

スペイン人建築家が
ステキな設計プランを用意したのですが
市民に公開したところ
猛反対をくらうんです。


サイクリスト団体は「こんな通路じゃ通れん!」と騒ぎ
地元民たちは「ビルをもっと低くしろ!」と騒ぐ。

そのたびに工事はストップ。
建築家たちのテンションが
どんどん落ちていく・・・

わかるわあ、やる気うせるよねえ。

しかも
完成予定は2008年だったのに
いま現在まだできてないという。
もう見てるだけでうんざりしますわ(苦笑)


しかも関係者のインタビューを連ねた
シンプルな構成なので

2度見たんですけど
正直、2度ともあらがえない睡魔に襲われた。

ただおなじみ「週刊朝日」ツウの一見で
森美術館のキュレーター、片岡真実さんに
この映画の見かたを教わったところ
けっこう目が開きました。

オランダ人というのは
とにかく「口出し」屋さんなんだそう。
日本じゃちょっとありえないこの国民性を
軸にして見てもおもしろいし

さらに
どんな仕事でもありえる混乱を
どう解決するかという
シミュレーションとして見るのもおもしろいと。

なーるほど。

まあ、自分にはムリだな(笑)。投げるな(笑)。

ということで
ツウの一見、「週刊朝日」掲載は8/24発売号(予定)です。
ぜひご参考に。


★8/21から渋谷ユーロスペースで公開。ほか全国順次公開。

「ようこそ、アムステルダム国立美術館へ」公式サイト
コメント (2)
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