牧歌的なハートウォーミングを期待すると
へし折られます(笑)
「ひつじ村の兄弟」67点★★★☆
****************************
アイスランドの辺境の村に暮らす
羊飼いの老兄弟。
お隣同士な二人だが
弟のグミー(シグルヅル・シグルヨンソン)と
兄のキディー(テオドル・ユーリウソン)は
40年も口をきかないほどに仲が悪い。
そんなある日、グミーは
兄の羊が疫病にかかっているかもしれないと気づき――?
****************************
アイスランド映画といえば
「馬々と人間たち」(14年)や
珍ドキュメンタリー
「最後の1本」(15年)
と
どこか、違う。キテる・・・・・・という印象ですが
本作もやはり予想を裏切ってきます。
自然と動物と人が共存する
アイスランドらしいリアリズムに溢れ、
最後まで目が離せない展開なんですが
いかんせん
ワシには題材が辛すぎた。
主役となる兄弟の仲は想像以上に悪く、
根深くこじれているし、なかなか救いがない。
そのなかで特に弟グミーの“ひつじ愛”が
詳細に描かれるだけに、
彼らを襲う運命の容赦のなさ、重苦しさがこたえる。
そして
常に重く暗く立ち込めた空、悲しげな音楽。
そんななかで
賢い牧羊犬を伝書鳩代わりに使うシーンなど、
ちょっとしたユーモアにすがりつく思いでした。
でも、すっごく印象には残ってるんですけどね。
★12/19(土)から新宿武蔵野館ほか全国順次公開。
「ひつじ村の兄弟」公式サイト