オランダ映画、最近増えてますね。
「孤独のススメ」73点★★★★
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オランダの小さな村に暮らす
フレッド(トン・カス)は
妻に先立たれ、一人息子とは音信不通の
孤独な中年男。
ある日、彼の前に
奇妙な男(ルネ・ファント・ホフ)が現れる。
言葉も発しない、謎の男だが
ある事情からフレッドが草むしりを言いつけると
真面目にこなす。
感心したフレッドは
行く当てもない、迷い猫のような男を
家に泊めてやるのだが――?
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タイトルから「ぼっち男」の話かなと思うのですが
やや違う。
のっけから主人公は
奇妙な男を拾って、寝食を与えるんです。
で、村人たちの好奇の目もなんのその、
二人の奇妙な暮らしが始まる。
そうするうちに
フレッドにも変化が訪れるが、同時にある事件も起こり――?というお話。
「これ、『二人のススメ』じゃん!」って
宣伝会社の人にも言いましたが(笑)
ホント、そんな感じです。
フレッドの変化も
けっこうディープな部分に関係しており
深刻に描いていないけれど、思うより事情は込み入っている。
でも、カラッと、サラッと自然で
なんか不思議。
そう、オランダ映画というと
最近は「人生はマラソンだ!」を思い浮かべるんですが
笑いのツボも、全体のトーンも
ホント独特なんですよね。
北欧の笑いとかとはまた違っていて
実際、なかなか掴みにくい。
これも、始まってしばらく掴みかねるんですが
最後には、きます。
特に、一度フレッドのもとを去った男が
再び、彼の前に現れるシーン。
ドアを開けてやったフレッドの脇を
すり抜けるようにして、彼が家に入るさまが、
まさに野良猫のそれのようで、ウッ!と心にキタ。
それに
冒頭からフレッドが
バスや列車に乗るシーンがやたら多く
孤独にはやっぱり
バスや列車が似合うなあと。
そう、この主人公フレッド、
『誰も寝てはならぬ』(サライネス著)の
マキオちゃんの30年後という感じではありませんか。
(マキオちゃん画像は、手持ちの本より抜粋)
ね、かなり一致(笑)
★4/9(土)から新宿シネマカリテほか全国順次公開。
「孤独のススメ」公式サイト