園子温作品の中で
ベスト3に入るほど好きだ。
「ひそひそ星」74点★★★★
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人類が少なくなった、未来。
アンドロイドの鈴木洋子(神楽坂恵)は
レトロな宇宙船に乗り
星々を巡って、人間に荷物を届ける宅配便の配達員だ。
相棒のコンピューターと二人きりで
何年もかけて旅をしているが
退屈は感じない。
彼女は行く先々の星で
さまざまな人々と出会うのだが――。
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園子温監督が
構想27年を経て作りあげた異色のSF作品。
ドンパチもない静かな物語で
セピアがかったモノクロームの色調も
漂う“もの悲しさ”も
大切に手元に置いておきたい
絵本のような映画でした。
宇宙船の外観や内部が
昭和レトロな雰囲気だったり
相棒のコンピュータとのやりとりも
どこかシュールで微笑ましい。
その空間で淡々と日々を過ごす
神楽坂恵氏の所作や、日付の挿入が
彼女自身は感じてないらしい
時間の長さや孤独を
我々“人間”に強く感じさせるんですね。
ひそひそ声の語りにも
詩的な雰囲気がある。
荒涼とした“未来”の星の
ロケ地となっているのは福島で
これは「ヒミズ」そして「希望の国」(12年)を撮ってきた園氏だからこそ
許される手段だと感じました。
特に
植田正治氏の写真のような海辺のシーンが
すごくいいですよ。
同時期公開のドキュメンタリー
「園子温という生きもの」(大島新監督)と併せて見ると
より興味深く“園ワールド”を堪能できると思います。
(明日紹介します~)
★5/14(土)から新宿シネマカリテほか全国公開。
「ひそひそ星」公式サイト