これは、やられた!予想以上のおもしろさです!
「パラサイト 半地下の家族」79点★★★★
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韓国・ソウルの裏路地にある
「半地下」の家に暮らす一家。
事業に失敗しても、気ままな父(ソン・ガンホ)に
一家で一番強い妻(チャン・ヘジン)
そして
大学受験に失敗し続けている息子(チェ・ウシク)に
美大に行きたいがお金のない娘(パク・ソダム)。
しがない内職で食いつなぐ彼らは
この状況をなんとか脱したいと願っていた。
そんなとき、息子がひょんなことから
高台の富裕層一家のもとで、家庭教師の職を得る。
貧乏一家は、知恵を絞り
全員が金持ち一家のもとで働こうとするのだが――?!
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「グエムル―漢江の怪物」(06年)に「母なる証明」(09年)
「スノーピアサー」(13年)、そしてNetflix「オクジャ/okja」(17年)と
次の一手が読めそうで読めない(笑)
ポン・ジュノ監督の新作です。
血みどろ?殺りくの予感?と思ったら、
これが意外なほどに笑えて、そして哀しい
すごい作品でした。
監督も切望しているように
ぜひ、予備知識ゼロで観に行くことをおすすめします!
が、それでは詮ない・・・・・・という方は
全くネタバレでない程度ですが、以下を。。。。
主人公は社会の下層、半地下に暮らす四人家族。
いろいろ事業を試しては失敗してる父(ソン・ガンホ)、
そんな彼に渇を入れる強い母親、
そして息子に娘。
彼らは全員が失業中で、しみったれた半地下で
しょぼい暮らしをしてる。
でも
みじめさや暗さはなく、妙なノー天気さがあって
まず、そこがいい。
これはポン・ジュノ作品の常連にして
父親役のソン・ガンホのすっとぼけた雰囲気(笑)が大きいんですよね。
で、そんなあるとき貧乏一家の息子が
ひょんなことから高台の豪邸に暮らす
金持ち一家の家庭教師になる。
そこから一家は知恵を絞って
妹も家庭教師に、さらに父と母もその金持ち一家に雇われるように
工作していくんです。
この過程が、猛烈に笑える(笑)。
で、一家はまんまと、金持ち一家に雇われることに成功。
貧乏な一家も安定の職を得て、希望の光が――?という状況から
予想を超えてくる展開が、まあオモシロイ!
絵的にも高台にある高級住宅地から、
物理的にも下層へ下っていく感覚が生々しく
実に哀しく
現代の格差社会を切り取っているなあと思いました。
笑いながら、やがて哀しき物語かな、と。
発売中のAERAで
ポン・ジュノ監督にインタビューさせていただきました!
「スノーピアサー」の世界観をリビルドした感覚や
現代格差社会への思い、
さらに、監督自身にも、〇〇の経験があった――?!と
映画をひもとくお話をいっぱい伺っています。
映画と併せて、ぜひご一読くださいませ~!
★1/10(金)から全国で公開。※TOHOシネマズ日比谷、TOHOシネマズ梅田にて先行公開中。