ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

ナイブズ・アウト/名探偵と刀の館の秘密

2020-01-27 23:22:48 | な行

ミステリーが続きますな。

 

「ナイブズ・アウト/名探偵と刀の館の秘密」75点★★★★

 

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その朝。

ミステリー作家として成功し、富を築いた

ハーラン・スロンビー(クリストファー・プラマー)の豪邸に

悲鳴が響き渡った。

 

いつものように朝食を運んだ家政婦が、

ハーランの血まみれの遺体を発見したのだ。

 

前日、ハーランの85歳の誕生日パーティーが

盛大に行われたばかりだった。

 

ハーランの一族と関係者は

一人ずつ、事情を聞かれることになる。

その場には、警察だけでなく、

有名な名探偵ブノワ・ブラン(ダニエル・クレイグ)の姿があった。

 

なぜ、彼がこの事件の調査を?

そして、関係者の話をつなげていくうちに、

驚きの真相が明らかになり――!

 

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もっとドタバタなコメディの効いたスリラーかと勝手に思ってたら

予想よりちゃんと構築されたミステリーでした。

 

しかも

本年度アカデミー賞で「脚本賞」にノミネート!

ミステリーで脚本賞って、まさに真骨頂というか

うん、その期待に応えてくれると思います。

 

ただ意外なことに、

最初から「すんごいおもしろい!」って感じじゃないんですよね。

 

巨額の富を築いたミステリー作家の、不可解な死。

そこに、名探偵ダニエル・クレイグが出張ってくるんですが

 

冒頭、各人への聴き込みはやや退屈だし

しかも

途中で早めに犯人、というか

ネタがバレる展開にも「え?」となる。

 

でもなあ、これじゃあなあ・・・・・・とまだまだ展開を期待したら、

やっぱり、しっかり「その後」があり、

転調があり。

おもしろかったです。

 

冒頭から、どうにもマヌケな役回りに見える

主人公探偵ダニエル・クレイグがどんどん盛り返してくる展開も、

ナイフにまつわる伏線も効いてる。

 

舞台となるお屋敷も

重厚でありながら、いかにもひとくせありそうな作家の住まいらしく

エキゾチックで奇妙な調度品の数々が飾られていて

目に楽しく、妖しな世界観を形作っている。

 

アガサ・クリスティー的な

よき時代の王道ミステリの雰囲気を存分にまといつつ

アメリカファーストなレイシズム思考など、

現代への揶揄や皮肉もたっぷりとまぶされているのが

いいね!でした。

 

★1/31(金)からTOHOシネマズ 日比谷ほか全国で公開。

「ナイブズ・アウト/名探偵と刀の館の秘密」公式サイト

コメント (3)
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