これは、かなり高度なフレンチコメディ!
「シンク・オア・スイム イチかバチか俺たちの夢」73点★★★★
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中年男ベルトラン(マチュー・アマルリック)は
2年前からうつ病を患い、
妻と子供たちと暮らしつつ
引きこもりのニートのような生活を送っている。
ある日、彼は公営プールで
「男子シンクロナイズド・スイミング」のメンバー募集の貼り紙を見かける。
なぜか惹かれたベルトランはチームに入ることを決めるが
メンバーは
妻と母親に捨てられたキレやすいロラン(ギョーム・カネ)や
事業に失敗し倒産寸前のマルキュス(ブノワ・ポールヴールド)などなど
みな事情を抱え
ミドルエイジ・クライシスまっただ中の
冴えないおっさんばかりだった!
元シンクロコーチの指導のもと
トレーニングにはげむおっさんたちだったが――?!
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「セラヴィ!」(17年)などで知られる
あの渋面でコメディもこなす俳優、ジル・ルルーシュの監督作品。
いやあ、クライマックス最高!(笑)って
身も蓋もないかしら。
でも、冒頭、観客に向かって語り始める
マチュー・アマルリックの声を聞いて
「え、小難しそうな、そっち系ですか?」と
一瞬構えてしまったんですが
いやいや、ここまで笑えて爽快な展開になるとは!
ぜひ、このクライマックスに向けて
楽しんでほしいです。
主人公となるのは、しおしおな中年おじさんたち。
うつ病のアマルリックをはじめ
倒産の危機の実業家、妻や子との関係に悩む夫・・・・・・
中年たちそれぞれの事情を、
しかし、意外にも平坦に描き
「そんなの、みんなあるあるだよ」的に共有していける感じがいいんですね。
そんな彼らが心情を吐露できるのが
シンクロ練習後のロッカールームだったりして
もう、ほとんどセラピー場所だなこれ(笑)。
その場でうつ病を告白したアマルリックをそっとハグしてくれる仲間。
うん、仲間っていいなあ!なんて。
で、肝心のシンクロのほうは、
スパルタ先生に変わってからの特訓が、とにかく笑える。
そしてクライマックス、
アマルリックが、目を見開いて飛び込んでいく、あのシーンは
ホントに爆笑ですから!
★7/12(金)から新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国で公開。
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