最初の数分で
なんだか引き込まれる「匂う」映画ってある。
これも、そんな映画。
「聖なる犯罪者」74点★★★★
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現代のポーランド。
20歳のダニエル(バルトシュ・ビィエレニア)は
「いろいろ悪いことをしてきた」青年で
殺人の罪で少年院に入れられていた。
ダニエルは少年院で
カトリックの教えに目覚め
「神父になりたい」と夢を持つようになる。
しかし、犯罪歴のある者は
神学校に入学できず
ダニエルはその道を諦めざるを得なかった。
少年院を仮退所したダニエルは
ある村の教会で
偶然、新任の司祭に勘違いされる。
とっさに「司祭です」とウソをついた彼は
思いがけず、司祭の代理を務めることになり――?!
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少年院を仮釈放された青年が
司祭と偽って、村人たちの心をつかんでいく――という
実際の事件にインスパイアされた物語。
ちょっとバイオレンスチック?と思わせるビジュアルだけど
大丈夫です、あんまり、そういう方向ではない。
それに
宗教に関する想いというのは
ワシには、正直根底まではわからない
それでも
目を離させない説得力や力が、たしかにある。
あの「パラサイト」などと
アカデミー賞国際長編映画賞を争った作品だそうで
なるほどな、と納得しました。
宗教うんぬんよりも感じたのは
若いときに犯し、そのときにはわからなかった罪の重さを、
どの段階で気づけるのか?
そして、気づけた段階でどう修正出来るのか?ということ。
これって
坂上香監督の「プリズン・サークル」(20年)にすごく通じているんですよ。
若い世代の彼らに
人生やり直しの機会を、もっと広い心で与えるべきではないか?
いやいや、
ワシらも彼らから、教えられること、多いんじゃないか?
そんな想いが、募ります。
実際の事件がもとである、ということも相まって
実に心に深く、迫ってきました。
★1/15からヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、渋谷ホワイト シネクイントほかで公開。
あのパラサイトと並ぶほどの作品なんですね!
なら絶対観なきゃ損ですね。
ストーリー内容からして、とても面白そうです。