ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

食べて、祈って、恋をして

2010-08-19 13:16:18 | た行
祝・ジュリア・ロバーツ初来日!
やっぱりオシャレでしたね。

「食べて、祈って、恋をして」70点★★★


ライターのエリザベス(ジュリア・ロバーツ)は
取材で行ったバリで
「あんたは世界を旅する」と予言される。

NYに帰ったエリザベスは
人生を見つめ直し、
1年間、イタリア、インド、バリへ
自分を探す旅に出ることを決意する。


イタリアではカロリーを気にせず食べ
インドではヨガと瞑想にふけり

そしてバリでは
人生を変える出会いがあった――。


いや~
「誰でもこんなことやってみたい!」という
願望を映像にした
実にそそられる話ですねえ。


実際、同名ジャーナリストの
自伝的小説が元ネタで
人生のターニングポイントにある女性の
バイブルになってるんだとか。

800万部(!)のベストセラーだそうですよ!ひえ~
自分探し、は世界共通テーマってことです。


で、映画はというと
まず7割の確率で
期待したものを得られると思います。

特に女性は。
だってオシャレなんだもん。

風景を見てるだけでも
フィガロ誌の旅行特集を見ているようで
旅してる気分を堪能できるのに

そこに映ってるのが
ジュリア・ロバーツですからねえ。

全然変わらずチャーミングだし
ファッションかわいいし。

細くてスタイルいいのに
腰回りのボリュームがいい感じになってきていて親近感わくし。
42歳?けっこう若いな。

ただ正直
得られるものって旅情だけ。

「異国に旅したい!」欲は満たされるけど
「女の人生これでいいの?」と悩んでる人に
何かを啓示するほどの映画ではない。

この映画で「目が覚めた!」ということには
ならないと思います。


まあ所詮、人の経験したことだし
そこまで甘えんな、ということでしょうかね。
自分でやってみろ、と。


要は需要と供給のバランスで
旅情を求めていけば
絶対に楽しめます。

それにいま、偶然手元にあった
週刊朝日8/27号の特集
「人が死ぬ前に本当に後悔すること」を読んでいたら




「行きたい場所に旅行しなかった」がある!

ぎゃー人生は短い!
とりあえず、今年は
失効パスポートをなんとかするぞ!

★9/17からTOHOシネマズ有楽座ほか全国で公開。

「食べて、祈って、恋をして」公式サイト
コメント (4)
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ハナミズキ

2010-08-17 11:15:33 | は行
昨日、これ見てから
一青窈の歌が頭の中を
エンドレスで回ってんですけど・・・

どうしてくれるのだ!

「ハナミズキ」50点★☆


舞台は北海道・釧路。

高校生の紗枝(新垣結衣)は
漁師を目指す康平(生田斗真)と出会い
恋に落ちる。

だが、その春
紗枝は東京の大学に進学し
二人は遠距離恋愛に。

会えない時間も愛を育もうとする二人だが
そんななか紗枝は大学で
カメラマンを目指す先輩(向井理)と出会い・・・。


一青窈のヒット曲「ハナミズキ」をモチーフに
「いま、会いにゆきます」の
土井監督が作った純愛映画。


時代背景は確か
1996年~2006年で

主人公はおそらく1979年生まれで
1997年に大学生になり
2000年に就活(そんな言葉なかったけど)くらいの世代。

いまの高校生、というよりは
一青窈をカラオケで歌うようなアラサー世代に
照準を合わせてあるのが
うまい感じでもあります。


しかしどうにもストーリーがベタで
先が読めてしまうんですよ。
もう少し練りが欲しかったなあ。

いま売れっ子の向井理も
期待したほど出てこないし。
やっぱ忙しかったんだろうなあ。

ただ土井監督は
「絵のような一枚」の焼き付けかたがうまく
本作も夕暮れの灯台シーンとか
キレイでした。


もしかしたら
北海道「ハナミズキ」ロケ地ツアーとか
人気でるかもしんない。


★8/21から全国で公開。

「ハナミズキ」公式サイト


余談ですが
この映画を見てるとき
2つ隣の席でずっとケータイ光らせながら
いじってた女性がいた。

いつもなら注意するけど席が離れてるし
「(今回は)まあ、いっか」と思ったら
やっぱり集中できなかった。

しかも出るとき見たら
けっこうオバチャン。
映画が映画なだけに若い娘かと・・・。

どっちにしても
だめじゃねーか!

映画見るときはケータイ切ってくれ!
コメント (6)
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ようこそアムステルダム国立美術館へ

2010-08-14 17:00:59 | や行

もめ事は、対岸からだと、ちとおもしろい。

「ようこそ、アムステルダム国立美術館へ」56点★


レンブラントやフェルメールやら
偉大なる傑作を有する
オランダ・アムステルダム国立美術館。

その改装工事を4年かけて
追ったドキュメンタリーです。


でも
「ステキな美術館がどんどん完成していく」
ビフォーアフター映画かと思ったら大間違い。

これがもう
すったもんだで大変なんですわ(失笑)


はじまりは2004年。

スペイン人建築家が
ステキな設計プランを用意したのですが
市民に公開したところ
猛反対をくらうんです。


サイクリスト団体は「こんな通路じゃ通れん!」と騒ぎ
地元民たちは「ビルをもっと低くしろ!」と騒ぐ。

そのたびに工事はストップ。
建築家たちのテンションが
どんどん落ちていく・・・

わかるわあ、やる気うせるよねえ。

しかも
完成予定は2008年だったのに
いま現在まだできてないという。
もう見てるだけでうんざりしますわ(苦笑)


しかも関係者のインタビューを連ねた
シンプルな構成なので

2度見たんですけど
正直、2度ともあらがえない睡魔に襲われた。

ただおなじみ「週刊朝日」ツウの一見で
森美術館のキュレーター、片岡真実さんに
この映画の見かたを教わったところ
けっこう目が開きました。

オランダ人というのは
とにかく「口出し」屋さんなんだそう。
日本じゃちょっとありえないこの国民性を
軸にして見てもおもしろいし

さらに
どんな仕事でもありえる混乱を
どう解決するかという
シミュレーションとして見るのもおもしろいと。

なーるほど。

まあ、自分にはムリだな(笑)。投げるな(笑)。

ということで
ツウの一見、「週刊朝日」掲載は8/24発売号(予定)です。
ぜひご参考に。


★8/21から渋谷ユーロスペースで公開。ほか全国順次公開。

「ようこそ、アムステルダム国立美術館へ」公式サイト
コメント (2)
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NECK ネック

2010-08-12 19:52:35 | な行
明るいホラーでも、怖いことは怖いっ。

「NECK ネック」51点★★


“貞子”タイプのホラーに
ラブコメを混ぜた異色作です。


大学院生の真山(相武紗季)に
一目惚れした首藤(溝端淳平)は
ある日、彼女に思い切って告白をする

だが真山の返事は
「あんた、怖がりか?・・・・・・」


その夜、首藤はわけのわからぬまま
真山の研究室に呼び出される。

そこにあったのは
「ネックマシーン」という機械だった。

真山は人間の想像力が
お化けを生み出すと信じ
ネックマシーンでその研究をしているのだ。

首藤は真山の研究に協力するため
ネックマシーンに入り
怖い映画を見続ける。

すると思わぬことが起こり・・・・・・?


昨日、取材先で
「どういうホラーが怖いか」という話が出まして

アメリカ産では
「パラノーマル・アクティビティ」系が
一番怖いかなあ、という結論。

あと
スペイン・メキシコ合作の
「永遠の子どもたち」。

あれはニコール・キッドマンの
「アザーズ」に通じるものがあった。怖い怖い。

つまりこれ「見えない恐怖」。


でも帰り道、日本が独自文化として持っている
和製ホラージャンルも
あるなあと思いついたんです。

すなわち「リング」の貞子系。
あるいは伊丹十三製作総指揮の「スイートホーム」。

貞子系はとくに「見える恐怖」ってやつ。


で、思い出したのがこの映画。

コメディ素地に
まさしくこの2つの和製ホラー風味を加えてあって
つまり風呂桶に髪の毛が!うわーっという
気味の悪さですね。

で、
コメディ×ホラーがどうなるかというと

やっぱりホラー部分の印象のほうが
強烈に残るなと感じました。


ただコメディ部分も悪くなく
相武×溝端コンビの会話がけっこう弾むので
中盤まで笑いながら
ビビったりしていました。

しかし後半「チャイルド・プレイ」ふう展開から
まさかのラストにガックリ。

収束のまずさが
もったいないなーという印象です。


まあ、夏の夜
さまざまなホラー映画について
考察するきっかけにはなりました。ハイ。


★8/21から全国で公開。
「NECK ネック」公式サイト
コメント (5)
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キャッツ&ドックス 史上最大の肉球大戦争

2010-08-11 00:25:51 | か行
猫バカ犬バカペットバカ、大集合!

「キャッツ&ドックス 史上最大の肉球大戦争」(3D字幕版)69点★★★


バカバカしくも
ニャカニャカ楽しい映画でした。ニャア。


サンフランシスコ市警の警察犬
ジャーマン・シェパードのディッグス
ある日、エリート犬が集まる
秘密組織“ドッグ”のエージェントにスカウトされる。


ディックスに下された使命は
邪悪な猫キティ・ガロア(モデルはスフィンクスかと・・・)の手から
人類と犬類を守ることだった。


猪突猛進型で失敗ばかりのディックスは
ひょんなことから
天敵であるはずの猫(モデルはロシアンブルー)と
コンビを組むことになるのだが・・・?!



2001年にヒットした「キャッツ&ドックス」と
同じプロデューサーが担当。

この人「ゲット・スマート」(大好き!)
のプロデューサーでもあり

007ばりのオープニングや
さまざまな映画のパロディがあったり
けっこう笑える作りになってます。


冒頭
うるうるお目目の子犬だと思ったら
実は子犬の着ぐるみを着て
スパイ活動をする猫だった・・・なんて
単純なシーンでかなり笑ったし笑)

エンドロールのYou Tubeの
ペット画像集みたいのもウケました。


しかし前作「キャッツ~」もだけど
アメリカ人は圧倒的犬派なのか
どうやっても
猫をぜんっぜん可愛く描かないんですよね~。
てか描けないのかも(苦笑)



まあ今回は猫エージェントも活躍するし
犬派、猫派どちらにもイケるかと思います。


いずれにせよ見た後は
速攻、家に帰って
カワイイ“うちの子”を
なでくりしたくなることでしょう。


ペットバカ万歳!


★8/21から、2D&3Dともに全国で公開。

「キャッツ&ドックス 史上最大の肉球大戦争」公式サイト
コメント (2)
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