これも実によくできた映画です。
「マーサ、あるいはマーシー・メイ」77点★★★★
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ニューヨーク州北部の、牧歌的な農場で
男女が共同生活をしている。
しかしある早朝、
マーサ(エリザベス・オルセン)が
その農場から逃げ出した。
マーサは疎遠だった姉(サラ・ポールソン)に連絡を取り、
彼女とその夫の別荘に居候する。
だが、久しぶりに会うマーサは奇行を繰り返し
姉夫婦を戸惑わせる。
マーサもまた
逃げ出してきた“あの場所”の記憶に苦しめられることに――。
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「ブラック・スワン」のスタジオが手がけた作品。
平和なのに、ミステリアス。
心理ホラーとも言える作品で
いや~
明るい昼間の映像なのにめちゃくちゃ怖い(笑)
でも見応えがある!
オススメ映画です。
農場で暮らす平和そうで、どこか奇妙な男女のコミュニティ。
実はそこはカルト集団で
リーダーの絶対支配のもと、悩める若者が集う場所なのだ。
そこから逃げだし、姉の家に逃げたマーサの現在と、
カルト集団にいた時期の回想シーンが
自然に、実にうまく繋げられていてお見事。
彼女がカルト集団に行くまでの背景は語られないけれど
姉みたいに“ふつう”に生きられず
自分の存在を認められない
悲惨な道筋だったことは想像できて、
カルト集団のリーダーはそこにつけ込み、
彼女に社会のなかでの「役割」を与え、
「あなたは必要な人だ」と自己肯定をさせることで、
逃れられぬマインド・コントロールするという。
怖っ。
だってそんなの
弱ったり、迷ったりしている人、特に若者なら
誰でも、いくらでも陥りそうな状況じゃないですか。
実際の事件とかも、いろいろ想起させるし。
そして
逃げ出しても、次第に追い詰められていく
主人公の苦しみを感じながら
「早くこの苦しみから開放してくれ!」と
思いつつ、そのハラハラを堪能しました。
演じるエリザベス・オルセンが
本当にハマリ役で
このまっさらな若さと無自覚な色気に溢れた
彼女でなければ、この映画は成り立たなかったでしょう。
あの無防備な唇と胸元・・・
真打ち“ポスト・スカヨハ”な気がしますわ(笑)
★2/23(土)からシネマート新宿ほか全国順次公開。
「マーサ、あるいはマーシー・メイ」公式サイト