アイスランド発、「馬々と人間たち」(14年)監督の新作です。
「たちあがる女」71点★★★★
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アイスランドの田舎町。
一人の女性が、巨大な鉄塔向かって弓矢を放つ。
そして、テキパキと送電線を切った彼女は
大地を逃げ去っていった――。
彼女の名はハットラ(ハルドラ・ゲイルハルズトッティル)。
人知れず環境活動家としての顔を持つハットラは
自然を破壊するアルミニウム工場を撤退させようと
孤独な闘いを繰り広げていた。
そんな彼女のもとに、ある知らせが届く。
それは養子を迎える許可の通知だった。
母親になる夢と、環境を守るという使命。
両者の間で揺れるハットラは、ある決断を下すのだが――。
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1969年生まれ(ほぼ同い年やん!)
アイスランドのベネディクト・エルリングソン監督作品。
自然を守るために、猛然と「実力行使」を行い、
国家さえ敵に回す、孤独なヒロインの闘いを描いており
動物と自然とともに生きる土地からの
現代社会への強烈なメッセージ・・・・・・を超えて
これはもう、戦線布告ですね。
アイスランド映画って「ひつじ村の兄弟」(15年)といい
強烈に印象に残るんですが
どうしても動物が絡むネタが多く
弱虫毛虫なワシとしては辛かった。
ですが、本作はVS人間!VS権力!自然破壊、NO!ということで
も~う、どんどんやっちゃってちょうだい!と
安心して見ることができました(笑)
ハットラの強さに脱帽しつ、その常軌を逸した感覚にあ然としつつ
でも「これほどやらなきゃ、手ぬるい!」という悲鳴と、現状への焦燥、
そして罰をも覚悟の、重みを感じつつ
そんなシリアスを、独特なユーモラスに持っていく監督に
笑いながら目が覚める思いがしました。
劇伴の演奏家たちが画面に登場するのもおかしい。
監督は音楽にもとてもこだわりがあるんだと思います。
★3/9(土)からYEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開。