25時間目  日々を哲学する

著者 本木周一 小説、詩、音楽 映画、ドラマ、経済、日々を哲学する

炎立つ

2019年05月20日 | 映画
NHKの大河ドラマで1993年は前半に「琉球の風」をし、後半は「炎立つ」と半年ずつで二作放映したのだった。以前に「炎立つ」は見ていたが、今度二度目を見ていて、NHKも気合が入っているね、と思い、セットや衣装も何もかも気合が入っている、まあお金がかかっているというのだろうか、作り手に拘りがあるというのだろうか、とにかくたいへんは撮影であったろうと思う。吹雪の中、馬に乗り、戦闘する場面も手抜きがない。
 藤原経清を演じる渡辺謙だけでなくその息子奥州平泉を拓く藤原清衡役の村上弘明もよい。
 話は1051年に始まる「前九年の役」から始まり、「後三年の役」、朝廷からも独立した奥州平泉王国が滅ぶまでの大河ドラマである。
 武士の台頭。武士の手柄をたてる焦り、一族を興隆させようと金銀にとりつかれ、陸奥の安倍一族を滅ぼしたい源頼義。朝廷から離れて独立国としてやっていきたい安倍一族は国守源頼義に従順し、頼義の任期の終わりを待つが、計略に嵌められ、戦争となってしまう。
 当時は城というものはなく、柵と呼ばれる要塞があった。北国での舞台、豪雪、吹雪、蝦夷的習俗、舞踊、衣装など珍しい物を知るのも楽しい。登場俳優陣も素晴らしい。この頃にすでに稲垣吾郎がでていたし、鈴木京香出ていた。麻木久仁子もちょこっと酒くみ女として源義家を演じる佐藤浩市に酒を注ごうとすると、はねかえされていた。この義家の武士としての潔癖さが、ドラマに変化を与えていく。このドラマの期間には朝廷では院政が始まり、朝廷の衰退があり、平家の興隆から滅亡、源氏の台頭、武家政治の始まり、西と東の政治の二重構造の始まりがある。奥州藤原家は滅びる。

 「翔ぶがごとく」は幕末物だったが、安いっぽいセットに呆れたものだった。昨日はとうとう「いだてん」を見るのを止めてしまった。学生時代はあまり見ていなかったが、結婚してからは欠かさず見ていたような気がする。「女城主直虎」まで続けてみたのだから、「いだてん」はよほど何かが足りないのだろうと思う。第一に主人公の金栗四三の人格や知識のほど、考えていること、感情がよくわからない。それとどうしてビートたけしの話がくっついてくる意図がわからない。
 大河ドラマで好きなものを挙げてよし、と言われたら、まず、炎立つを挙げる。ぼくとしては次が「獅子の時代」「独眼竜政宗」「花の乱」と続く。

 TSUTAYAのレンタルビデオにすべての大河ドラマとすべての朝ドラがあればいいのにと思う。