今日の料理(こだわりがないのがこだわり)

フードリテラシーに沿いつつも、なるべく夢のある料理や飲食をジャンル・国境・時代・時間をボーダレスに越えて書いています。

漫画の牡蠣料理を学ぶ

2019年12月02日 | グルメ
漫画に牡蠣のオムレツなるものがあったのだが、作ろうか?どうしようか?迷っていた。
余程でないと、大体、漫画の通りは作らないのだが(←それでも多少は「自分好みに」アレンジをした)、
・今日中に処理をしないとならない生牡蠣が安く
・ネギが余っていて
・ナンプラーは無かったがニョクマムが余っていて
・卵が期限がきそうだったので
これだけの全ての条件が揃って作ろうか?悩んでいれば、そりゃ作るだろ!!って・・・

牡蠣は火を通し過ぎると良くないらしいが、以前、生牡蠣と加熱用の牡蠣を間違えてアタッた事があるので
(あまりにも疲れていた時にスーパーへ行ったら、両方ともに「生牡蠣」とパッケージにプリントをされ、並べられていたので、やってしまった・・・)
以後、生牡蠣しか食べていない(生牡蠣ですらRの付く月でも、あまり食べていない)。

本当は大根おろしで牡蠣を洗うらしいが、急には大根が無かったので片栗粉で

水洗い(←これが面倒なのだがノロが怖いよりはまだ・・・)、自分の場合はザルを2つ用意しないとな・・・

卵を溶いてネギをきざんで

ニンニクもきざんで

鉄フライパンを温め油をひいたところに
(少し油を減らして小さじ1ぐらいにした、恐らく漫画の絵からは結構油を入れているのかな~って)

ニンニクとネギを香りが立つまで炒め

洗った牡蠣を投入し

牡蠣の表面に火が入ったら(白っぽくなる、写真を撮りながらだから解かりヅラくて申し訳ないけれど)

溶いた卵を回し入れる(←入れる前にかきたまみたいに入れる前にもう一度かき回すと良い気がした)。

7分火が入ったら完成

あれ、どうやって皿に移すんだ?
(油が多いとスルっと滑らせられるんだろうけれど、そこまでオイリーにはしなかったし、とりあえず火からは離すか・・・)

絵では滑らしているようだが、普段、半年間洋風のオムレツを作り続け過ぎて・・・、ちょっと感覚を忘れてしまったぞ・・・
※「オムレツトントンをしたい症候群」というか変なクセが付いてしまった。
(↓卵を溶いた皿で洗い物を1つ減らしつつ、撮影で火が入り過ぎるのも考慮して半熟感を出そうと・・・)

ナンプラーではないがニョクマムを本来はハケで塗るが、製菓にも使うハケが魚醤臭くなるのは、いかな俺でも耐えられない!!
(のでスプーンで垂らし伸ばしていく)

とりあえずなんとか完成
(新しい事をやるってのは・・・エネルギーを使うね・・・)

出来立ては、確かに牡蠣の底力を引き出すというのは解かるが、腕が無いからか、冷めていく過程で、なんかボヤ~っとしてくる。
(めちゃめちゃ不味くは無いんだけれど、薄味の自分がボヤ~って感じるぐらいだから、塩気とも違う、エンジェルオンホースバックではないし、なんかこう、まったり感が強過ぎるというか、レシピの言わんとしている事は解かるんだが・・・生牡蠣の方が美味いな)

仕方ないからニョクマムを足して

冷えたご飯を添えて

現地の定食屋風に。
(向こうはヤバかった、ハエが凄かった、でも皆、気にしていなかった・・・何処の国とは言わないが、というか気にしていたら現地の味が解からないし、生きていけなかったので、頭の中のギアを入れ替えたというか)

やはり漫画のそのとおりに作らなくてもいいんだなって。

「インスピレーション」を貰うだけでいいんだって。

フライパンを洗っていて思った、もっと公平にニュートラルに料理に対して向き合っていきたいと。

(なかなか続けていけないけれど)そんな謙虚な気持ちにふと気付いた(俺の場合、その積み重ねだろうな)。

無駄な事は何も無い。



アルチザンの方のサイン本

2019年12月02日 | 飲食業
ある超有名な職人の方の半生を取材した本を古書で手に入れたら、

サイン本だった・・・

私も瞬間だがお会いした事があるし、もう亡くなられてワリと経つから、市場に出ていてもおかしくはないが・・・

ここのところ画像が多い料理の参考書ばかりを読んでいて、文字が多い読書を怠っていたので読書力が落ちたのか(他の本も読みたいし)、最初全部読み切れないかな~って心がくじけそうだったが、

サイン本だとやはり読もうという気になる!!

そして内容も結構深く重厚で、これを編集執筆をした方の熱意が伝わってきていて
・アルチザン(アルティザン)=職人としての心構えとか、
・日本人(=新鮮な素材が手に入った島国)の味覚と大陸の違い。
(甘過ぎて脂っこいモノは苦手という事、←確かに砂糖や油のコクではなく、材料や素材そのものから染み出る旨味やコクがあるという事を日本人は知っているし、それが美味しさの根底にある基な訳だと改めて気付く事が出来た)
・商売(=他の仕事も)は特に地味で根気がいるもの(ジックリ構える)。
・毎日、毎日気温も湿度も変わる、時間は目安でしかないと若い人達に教える事。
・生地やや素材にダメージを与えない。
・作ってなんぼのもんじゃない、売れてなんぼだという事(←自己満足は駄目という事)。
・僅かなお金でも人を喜ばす事が出来る。
・人の求める味は、一時浮気をしても、必ずベーシックな元の味に戻っていく。
・成功するまで黙ってみている事
・人々は情報を欲している。
・子供のうちになんでも食べるように躾けられると食に対する拡がりが出来る。
・日本は資源が少なかったから工夫と改良を出来て努力する事も解かっている、モノがいっぱいだとそのありがたさが解からない。
(健康もそうかもしれないし、これはガンズのスラッシュが最初に与えられたギターには弦が1本しか張られていなかったと同じなんだろうな・・・レニークラビッツと共に良い学校なのだが)
・この外国人アルチザンの視点だけではなく仲間の料理人の視点からのお店のコダワリについて。
・外国の身体を使ったゲーム娯楽文化に触れられたり。
・知識を惜しみなく周囲の人に分かち与える。
・何かを続ける事は何かを始める事よりも難しい、ブランドに胡坐をかいて商売を続けられるほど、世の中は甘くない。
・もっと人に頭を下げなければいけないという事。そして人の倍も働かなければという事。
・古来より人類に受け継がれてきた料理法が今は化学的に解明をされているが過去のベーシックな部分を理解し感謝と敬意を払う事。
(大事な所を本には申し訳ないが今は俺のモノなので折り目を付けたよ・・・その箇所が半端ない)

1回読んだだけでも、改めて心の底に焼き付けたいと思う事が何カ所もあって、

この本を謙虚に且つ大胆になる為の聖典(バイブル)の様に大切に読み開いていきたいなって思えた。

主人公のアルチザンの方、周囲で関わってこられた方々、そしてこの本を作って下さった方々に、私にこの本が渡ってくるまで何十年と関わられてきた人々へ感謝をしたい。

まだヨチヨチ歩きにもなっていない、立ち上がってもいないけれど、ハイハイでも、より精進をして前進をしたいと改めて思った。