今日の料理(こだわりがないのがこだわり)

フードリテラシーに沿いつつも、なるべく夢のある料理や飲食をジャンル・国境・時代・時間をボーダレスに越えて書いています。

栄螺でございま~すっっっ

2019年12月09日 | 素材
本当は初夏が旬の食材なのだが10月頃に安く手に入ったので。

サザエなんて滅多に食べられないけれど(実際何年振りだろう)、安く手に入ったので料理をしてみようと思ったのだが、ふと ちょっ待てよ、もしかしたら、昔はいつもそのまま食べていたけれど、安いという事は(←期限も期限なんだが)何か下ごしらえが必要なのかも・・・

とPCで調べてみたら、あるわ、あるわ、知らなかったいくつもの奥義が出てくるではないか。

先ず、貝なので『砂抜』きから・・・、
塩3%の海水と同じ塩分濃度の食塩水に

サザエを漬けて

冷暗所で3日間水を変えながら砂抜きするらしい。
※あまり冷たいと死んでしまうのでとりあえず野菜室で。

ただ、期限真近の貝なので3日間も置いておけないな・・・と、

翌朝(←期限日の日、一晩でもかなりの砂とか汚れを吐いていた)貝殻をタワシで洗い。

湯の中で1分~2分茹でて
※茹でる事で殻から外し易くなる!!

取り出し

貝殻の向きと逆回転に身を回しながら抜き出すと、

途中で切れる事が少ない。

身に付いているヒラヒラの「ハカマ」を引きはがす。
(ここは食べられない事はないらしいが苦いらしい、知らなかった、食べていたもの、この苦みが良いし)

身の繋ぎ目を剥くように反り返らすと赤黒い小さな口が飛び出すので手で取る!!
(知らなかった・・・、でもまあ生き物だものな、口ぐらいあるよな)
※グロいので写真をワザとボカしました。

肝に繋がるグルグル模様の「砂袋」に砂が溜まっているので切り離す。

※本当はこの砂袋より先が苦く無くて砂も無く美味しいのだが、私は苦い肝も好きなので。
(海の家とか民宿のBBQや料理では何日もかけて砂抜きをしてくれてあったんだな・・・今、その事を学べた!!)

分解

こんなにパーツがあるのか(←これに砂袋の部分を更に取り外して)

「サザエの壺焼き」

サイコロ状に細かく切って、

貝の中に蓋を逆にハメ込み、その蓋の上にサイコロ状に切った身が落ちないようにした上で(←オモシロイ!!)、

身と肝を詰める
(肝が下の方が全部入り易い気がする)

で、弱火で焼く(←あまり強火だと身が硬くなる

酒と醤油(好みで砂糖や味醂も)で合わせ調味料を作って、
※今回は解からないからとりあえず同量にしたが、醤油2:酒1でもよかったかも

2~3分したら小さじ1ぐらいを身にかける。

で、10分~15分ぐらい焼くとブクブクいってくるので

あともう少し焼いて、焼けたら完成。

皿に盛って

焼き網は熱いうちに洗うと落ち易い。

味が足りなければ各自醤油でもかけて。
(やはり上記で書いた様に2:1だったか)

でも、美味しい、やっぱり、こんなに美味しいモノなのか・・・
ビールが欲しいが・・・

「サザエご飯」


肝を入れる人と、肝を入れない人に分かれるが、両方の人を満足させる為の方法を思い付いた。
・人参とか午房、油揚げは五目御飯ではないので入れない
(やはり単品で、折角のサザエという素材の風味を活かしたい

上記の最初で貝を1分~2分茹でた湯を取っておいて
(最初捨てようか?と思ったが、この汁で煮るレシピもあったので

カスを目の細かい茶漉しで濾し

鍋をキレイにして再度もう一回濾し

身と肝を切って
(数が少ないので、やや薄めor小さめにして増やした)

肝は別皿に取っておいて、身を酒と醤油と先程の煮汁で薄めの味付けで煮てダシを取る

加熱をすると濃くなるので薄めに

薄い分なら塩気を足せば良いが、濃いともうどうしようもなくなるから薄めに、ダシで食せるし)

灰汁を取って

10分ぐらい煮たら後は火を止め、余熱でジンワリと出汁を引き出す

肝はとりあえず冷蔵庫へ

米を研いでザルにあけ水を切っておく

冷めた煮汁の出汁を入れる。
貝類を炊いた後から入れて数分蒸すタイプの「美味しんぼ」方式もあるが、何せ今回は貝の量があまりにも少ないので一緒に炊く方式を採用、風味を取る事にした。

最初は煮汁の出汁の水気をやや少なめに

余った煮汁で肝を煮る裏技

(これは苦いので)醤油と酒を足して味を濃く!!!

蓋をしつつ水分を減らし(←※「煮物」は完全には水分を無くさずシットリさせる)

肝の出汁が出た煮汁も追加
し、規定に近い分量に水分を調整(←自分はカヤクご飯系は固めが好きだが)。
※但し濃くなり過ぎないように注意。

炊く

炊けたら炊飯器の中を混ぜて

濃い味に煮た肝をアクセントに食べられる。

好みで
・肝が好きな人は乗せて食べると海の香りが・・・
・肝がダメな人は乗せなければ喧嘩にならない!!!
イギリス式の食べる人が自分で付ける味付けや風味で。

自分は肝の苦さが好きなので混ぜても良いかな~って。

でも全部混ぜるとちょっと苦いんだよな~
(しかも肝はやはり先端が美味しい、全然苦さが違くて、やわらかな苦み)

少々一気に詰め込んだが様々な技術を学ぶ事が出来たし、、奥技が色々あるんだな。