=118 ~木の因数分解~(家具工房つなぎブログ)

南房総でサクラの家具を作っています。ショールーム&カフェに遊びにおいでください。

木曽漆器館

2009年05月06日 | 【お出かけ】木のむくまま
まだ木工の木の部分すら学んでいないのにぃ。
ですが、私は家具の塗装として漆に大変興味があります。
なかでも、木目がわかる拭き漆はぜひ取り入れていきたいと思っています。ちなみに2年前自らのお歳暮に意を決して購入した私の篠笛「蘭情」○万円も拭き漆仕上げです。

そこでやってきたのが「木曽漆器館」

今や「木曽の漆器」は全国ブランドですが、漆器として全国に名が通るようになったのは明治以後だそうです。それまでも当然木曽の木を使った木製品産業はあったのですが、江戸時代はもっぱら塗り櫛が中山道の旅人のお土産品として有名だったそうです。

館内には今は使用されなくなった往時の道具がところ狭しと並べられ、漆の樹液の採取から製造までの工程が勉強できます。

私の目がとまったところは、

一つめは、漆で飴色のしっとりとした鈍い光沢を持って固まっている軍手。なんだか積み重ねを感じます。

二つめは、刷毛。刷毛の毛にはアジア人の健康的な黒髪が最適だそうです。今は日本人でそんな髪を提供できるところはなくなってしまい中国が多いそうです。そしてその毛は刷毛の柄のところまで入っていて30センチくらいもあるそうです。だから昔の人はひとつの刷毛を少しづつ削りながら最後まで使っていたそうです。

三つ目は、木曽堆朱という漆の技法がわかったこと。
本物かどうか知らないが昔からウナギを食べていた時の重箱の模様によくあったような気がする。その模様が結構好きだったので、その制作方法がわかったことがうれしかった。
まさかあの模様のすべてが塗り重ねた色の違う漆だったとは。大変な手間ですがそれゆえあの自然な模様が出るのかなと思いました。

木曽漆器工業協同組合さまより

そして四つめは、昔の人の行商力。
谷間にある木曽の里では、中山道が通っていたとはいえ全国にその販路を開拓するのは大変だったと思います。行商人は大きなテーブルなどを持参することができませんから、そのテーブルのミニチュアをつくり同じように漆模様をつけて見本としていたのです。ミニチュアの机をみると、当時の情熱を感じます。

漆についてはとてもとても本日だけでは学べませんから、何度も足しげくこの木曽の里に通いたいと思います。
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NEW 木造校舎

2009年05月06日 | 【お出かけ】木のむくまま
木造校舎って聞くと、とても懐かしいですが、どうしても古い昔のものを思い浮かべてしまいます。
古いものを保存していくのもいいのですが、新しいものも作っていかなければいけません。

そこでNEW木造校舎。

国道19号線を走っていくと見えてきます。

楢川小学校。

木でできている校舎ですが真新しい、とても素敵な学校です。

<参考リンク>
→冬の楢川小学校
→校舎の木材などについて
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中山道最大の宿場町「奈良井宿」

2009年05月06日 | 【お出かけ】木のむくまま
江戸から京都に向かう中山道の最大の難所「鳥居峠」を控えた宿場町「奈良井宿」は、昔から「奈良井千軒」といわれる賑わいを見せた最大の宿場町だったそうです。そして、奈良井宿は現在も地元住民の力により歴史的建造物が保護され、単体でなくおよそ1キロにわたる町並みが残っています。おそらく日本で最も長く保存されている宿場町だと言われているそうです。

町並みに足を踏み入れると、そこは昔の中山道。
数百メートル先まで続く町並みは先が小さくなって見えなくなっています。それくらい長い距離がきれいに残っているのです。時代劇のセットのようでもありますが、ここには実際に地域の方が暮らしを営んでいらっしゃるのです。

漆器製品の販売を中心に多くのお店が並んでいる奈良井宿ですが、このように歴史があって意識が高い地域は自然と美意識が磨かれていくのが不思議なところです。
それぞれのお店もとても魅力的で、とくにこまごまとしたところが私は気に入りました。
◆店先に置かれた石池に浮かぶ草で作った蛙(奥でおばあさんが手作りしていました)


◆店内でサービスされた桜茶



漆器の中でも多かった製品が「お箸」。
安くてお土産にできるし、昨今のエコでマイ箸ブームの影響もあるのでしょう。多くのお店でたくさんの種類を見ることができます。
お箸ひとつでも工夫をするとこんなにいろいろな形やデザインができるのかと感心してしまいます。何層にも塗った漆を削っていくことで年輪模様が出てきたり、箸の上を斜めに削ってワンポイントの絵を描いたり。大変勉強になります。
そして制作方法に加えて考えなければならないのが、販売方法。ディスプレイ方法もありますが私が目についたひとつが「ネーミング」。ただマイ箸だとか木曽ヒノキ箸、高級漆塗りと言っても全然響きません。
そんな中にこんなものがありました。

やや太めの「わが家のあるじ」と女性用の「わが家のべっぴん」。
とても面白いです。

権兵衛峠という昔なら数日もかかったような峠を今はトンネルが開通したおかげで、私の家から奈良井宿まで車で30分かかりません。
雰囲気もいい奈良井宿、ぜひまた足を運んでみたいです。

◆ちょうどお祭りもやっていました。


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