アーバンライフの愉しみ

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半藤一利・宮部みゆき共著「昭和史の10大事件」

2016年05月08日 | 読書三昧

異色の顔合わせによる昭和史をめぐる対談録。
ただ、両氏は同じ高校の先輩・後輩にあたるというから驚く。



対談は、あらかじめお二人が別々に「事件」をリストアップし、それを突き合わせつつ、庶民の目線でそれぞれの核心に迫ろうというもの。

結果、

 1.昭和金融恐慌
 2.2.26事件
 3.大政翼賛会と三国同盟
 4.東京裁判と戦後改革
 5.憲法第9条
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など10件が「10大事件」となった。

どれも激動の昭和を代表する事件だが、特に印象に残ったのは、従来、憲法をめぐって、”米国からの押し付け”との批判があるが、「決してそうではない」と半藤氏が制定に至る経過を丁寧に解説している点だ。

つまり、例えば、9条の”戦争放棄”については、昭和3年に日本、米国等15ヶ国間で締結された「不戦条約」(ケロッグ・ブリアン条約)で、

「戦争ニ訴フルコトヲ非トシ、且其ノ相互関係ニ於テ国家ノ政策ノ手段トシテノ戦争ヲ破棄スル」

と規定されていて、これがそのまま9条の原案になり、国会審議を通してより緻密に規定された結果だという。

私たちもこうした経緯をよく知り、現憲法に対する理解を深めていく必要があると思った。(お勧め度:★★)

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