アーバンライフの愉しみ

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恩田陸著「蜜蜂と遠雷」

2020年04月15日 | 読書三昧

 

第156回(2016年下半期)直木賞と2017年度本屋大賞のダブル受賞に輝く恩田氏の力作。「星星峡・ポンツーン」2009年4月~2016年5月号連載、508頁。

3年毎に開催される芳の江国際ピアノコンクール。

これを制したものは、世界最高峰のS国際ピアノコンクールで優勝するというジンクスもあり、我こそはと思うピアニストが世界中から参集し覇を競う。

1次、2次、3次と選考が進む中、参加した若いアーテイストたちの間にも交流が広がり、また、互いに刺激しあって成長して行く姿が克明に描かれる。

果たして、最後に残った6人による本選(ピアノ協奏曲の演奏)を制し、頂点に立つのは誰か? ご一読をお勧めします。(お勧め度:★★★)

蛇足:参加者が演奏する曲の中には馴染みのない曲もあり、それらは、都度”YOUTUBE”で参照しながら読み進めた。その際、本書から参照したとのコメントを発見し、思わずニンマリしてしまった。

以下は、直木賞選考委員のお一人、浅田次郎氏の選評である。

「作者ならではの想像力が遺憾なく発揮された大作であった。(略)作品の出来栄えも、溢れ出る想像力を物語として包みこめるかどうか、制御できるかどうかという、作者自身の精神力にかかっていると思われる。いわば才能のコントロールとでもいうべき、困難な作業である。すなわち作者は本作において、非凡の才ゆえに強いられる困難を克服した。」

 

 

 

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