まかてさんの最新作は、植物学者・牧野富太郎の一代記。月刊「小説NON」18年11月~20年11月連載、494頁の大作。
その破天荒な一生と膨大な研究成果は、後に文化勲章や勲二等旭日重光章の受賞につながる。
学校に行く暇があれば研究に没頭したいと、小学校を中退し野山を駆け回り、植物の観察と採取、標本造りと描画に論文執筆にと寸暇を惜しんで勤しむ。
結果、生家の酒蔵を潰し、正妻との暮らしを放擲して研究にまい進する姿は、やはり、天才研究者だけが持つ資質のようだ。
本年最後の読書は、良い本に恵まれたと感謝した。ご一読をお勧めします。(お勧め度:★★★)