日本PTA全国協議会による2004年度「テレビ番組に関する小中学生と親の意識調査」が先日発表された。それによると、親が子供に見せたくない番組の上位3位はテレビ朝日系「ロンドンハーツ」、フジテレビ系「水10!」、テレ朝系「クレヨンしんちゃん」の順で、前の年と同じだった。毎年発表されるこのニュースを見て、いつも逆のことを考えてしまう。テレビは教育のためにあるのではない、エンターテイメントのためにあるのだ、と。だから、「見せたくない理由」が「内容がばかばかしい」(61.9%)、「言葉が乱暴」(38.7%)、「常識やモラルを逸脱」(37.4%)などなっていても、私は「テレビとはそんなものですよ」と居直りたい気分になる。
テレビは子育てのツールではない
問題にしたいのは、先に述べたようにテレビは教育のツールとしては成立しないのにもかかわらず、親がそれを期待する愚である。さらに、刺激的な表現をすると、子どもにテレビを見せておけば、子育てになると思っている親のなんと多いことか。「ドラえもん」を子どもに見せておけば、夢多き子どもに育つと思っている親も相当多いと思う。その幻想の裏返しで、「クレヨンしんちゃん」がヤリ玉に上がっているだけではないのか。
バーチャルで深刻化する「壊れる日本人」
いまの子どもたちは、テレビやテレビゲーム、携帯電話やパソコンのインターネットなどバーチャルの環境にどっぷりと浸かり、リアリティーの感覚が希薄になっている。この現状を、ノンフィクション作家の柳田邦男氏は「壊れる日本人」と喝破し、その同名の著書の中で、バーチャルに慣れきったがゆえに起きる事件の数々を一つ一つ取り上げ検証している。去年6月、長崎県佐世保市で起きた小6女児による同級生殺害事件で、女児が映画「バトル・ロイワヤル」で殺人をゲームとして覚え、メールで相手を攻撃し、そして殺害を実行した経緯を心理分析の記録から浮かび上がらせている。警鐘を鳴らす柳田氏は日本小児学会の提言▽2歳児までのテレビ・ビデオ視聴は控える▽子どものメディアへの接触を1日2時間(テレビゲームは30分以内)まで-などの具体的な対策を紹介している。
親がテレビのスイッチを切るべき
「子どもに見せたくない」を実行に移すべきだ。子どもに見せたくないのであれば、親がテレビのスイッチを切る、またテレビタイムを制限する、さらにノーテレビ・デイを設けるくらいの教育的措置を取るべきなのである。テレビの内容の問題より、柳田氏が指摘するように、テレビやテレビゲームの見せ方をめぐる親と子のあり方が深刻な問題なのである。
⇒24日(火)午前・金沢の天気 雨
テレビは子育てのツールではない
問題にしたいのは、先に述べたようにテレビは教育のツールとしては成立しないのにもかかわらず、親がそれを期待する愚である。さらに、刺激的な表現をすると、子どもにテレビを見せておけば、子育てになると思っている親のなんと多いことか。「ドラえもん」を子どもに見せておけば、夢多き子どもに育つと思っている親も相当多いと思う。その幻想の裏返しで、「クレヨンしんちゃん」がヤリ玉に上がっているだけではないのか。
バーチャルで深刻化する「壊れる日本人」
いまの子どもたちは、テレビやテレビゲーム、携帯電話やパソコンのインターネットなどバーチャルの環境にどっぷりと浸かり、リアリティーの感覚が希薄になっている。この現状を、ノンフィクション作家の柳田邦男氏は「壊れる日本人」と喝破し、その同名の著書の中で、バーチャルに慣れきったがゆえに起きる事件の数々を一つ一つ取り上げ検証している。去年6月、長崎県佐世保市で起きた小6女児による同級生殺害事件で、女児が映画「バトル・ロイワヤル」で殺人をゲームとして覚え、メールで相手を攻撃し、そして殺害を実行した経緯を心理分析の記録から浮かび上がらせている。警鐘を鳴らす柳田氏は日本小児学会の提言▽2歳児までのテレビ・ビデオ視聴は控える▽子どものメディアへの接触を1日2時間(テレビゲームは30分以内)まで-などの具体的な対策を紹介している。
親がテレビのスイッチを切るべき
「子どもに見せたくない」を実行に移すべきだ。子どもに見せたくないのであれば、親がテレビのスイッチを切る、またテレビタイムを制限する、さらにノーテレビ・デイを設けるくらいの教育的措置を取るべきなのである。テレビの内容の問題より、柳田氏が指摘するように、テレビやテレビゲームの見せ方をめぐる親と子のあり方が深刻な問題なのである。
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