オープンから7ヵ月、金沢市の「金沢21世紀美術館」がゴールデンウイーク期間中に80万人に達した。当初、年間の予想入館者数30万人と市は公言していたので、その数字を軽くクリアして初年度で3年分以上の数字を稼ぐ計算になりそう。
宇宙船のような外観
では、なぜこれだけの人が入るのか分析してみる。まず、壁面総ガラス張りの宇宙船のようなデザインの建物そのものがアートであり、話題性がある。この建物で、建築家の妹島和世さんと西沢立衛さんが去年9月、ベネチアビエンナーレ第9回国際建築展で金獅子賞を獲得している。その評価を受けて、最近でも、一般向けの建築・デザイン誌「カーサブルータス」や専門誌「建築技術」の表紙を飾った。
もう一つの大きな理由が「仕掛け人」の存在だろう。館長の蓑(みの)豊さん。金沢生まれ、慶應義塾大学(美学美術史)、米国ハーバード大学大学院を修了し、シカゴ美術館東洋部長などを歴任、現在、全国美術館会議会長も務めている。その華麗な経歴に似合わず、話し振りは「人懐っこいオヤジさん」という感じ。アイデアやユーモアがポンポンと飛び出す。たとえば、館内にはこの建物に工事にかかわった2万人の名前を金属板に刻んで掲げてある。「その家族や兄弟、子孫が名前を見に足を運んでくれる。いいアイデアでしょう」とニヤリ。過日、蓑さんから直接聞いた話である。そうした「にぎわい」を創出するアイデアと実績が買われ、この4月から金沢市助役に抜擢された。その手腕に期待したいところ。
ちなみに、この21世紀美術館には総工費113億円がつぎ込まれた。収入は年1億5千万円と見込むものの、管理運営費は年7億4千万円を予想、差額の5億9千万円は市の一般財源から毎年補填していくことになる。
⇒8日(日)午前・金沢の天気
宇宙船のような外観
では、なぜこれだけの人が入るのか分析してみる。まず、壁面総ガラス張りの宇宙船のようなデザインの建物そのものがアートであり、話題性がある。この建物で、建築家の妹島和世さんと西沢立衛さんが去年9月、ベネチアビエンナーレ第9回国際建築展で金獅子賞を獲得している。その評価を受けて、最近でも、一般向けの建築・デザイン誌「カーサブルータス」や専門誌「建築技術」の表紙を飾った。
もう一つの大きな理由が「仕掛け人」の存在だろう。館長の蓑(みの)豊さん。金沢生まれ、慶應義塾大学(美学美術史)、米国ハーバード大学大学院を修了し、シカゴ美術館東洋部長などを歴任、現在、全国美術館会議会長も務めている。その華麗な経歴に似合わず、話し振りは「人懐っこいオヤジさん」という感じ。アイデアやユーモアがポンポンと飛び出す。たとえば、館内にはこの建物に工事にかかわった2万人の名前を金属板に刻んで掲げてある。「その家族や兄弟、子孫が名前を見に足を運んでくれる。いいアイデアでしょう」とニヤリ。過日、蓑さんから直接聞いた話である。そうした「にぎわい」を創出するアイデアと実績が買われ、この4月から金沢市助役に抜擢された。その手腕に期待したいところ。
ちなみに、この21世紀美術館には総工費113億円がつぎ込まれた。収入は年1億5千万円と見込むものの、管理運営費は年7億4千万円を予想、差額の5億9千万円は市の一般財源から毎年補填していくことになる。
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