5/1 神戸の映画館の割引デーに「パリタクシー」を。
ラジオでDJがとにかく絶賛と。ただ詳しいストーリーは紹介しなかった。
老人ホームに入る老女92歳(演じるのは実年齢がさらに上!)とたまたま出会ったタクシー運転手。
フランスの街をタクシーが駆け抜け、その間に老女マドレーヌの人生が映し出される、とだけ。
ただ立ち上がれないほど衝撃を受けた、と。
ふむ。
そして、わたしも同じだった。ありきたりの過去じゃなかった。
【ネタバレあり】
宣伝にも一切出てこない。これはフェミニズムを扱っている。日本では、フェミニズムはマイナスだと思って宣伝に使わなかったのなら哀しい。
フランスにもあったのか。
女に権利がない時代。
女が男の所有物だった時代。
夫の暴力に苦しんだ主人公マドレーヌは罪を犯す。
だけど、いまならおそらく情状酌量されるであろう。でも、そんな時代ではなかったのだ。
そして、彼女は大切な息子も失う。
明かされていくマドレーヌの過去の重さと今を生きるマドレーヌの明るさ。にっちもさっちもいかない暮らしの中にいるタクシー運転手シャルルはやがてルールを超えて、家族のように。
…一日で!
シャルルが心の鎧を取り去り、踏み込んでいくところから感情が揺さぶられた。
ただ最後の最後はまとめすぎかなーと。ここはそこがよかったと言ってるひともいるので好みかな。
さて、映画から離れてフェミニズムの話。わたしは権力者の友達が立場を利用して利益を得ることは許さないけど、貧困対応など営利団体でない組織が[誰かの想像の範囲外にある]お金の使い方をしたとして、公金をくすねてると揶揄されてることは不快。非常に腹立たしい。いまも若い女性が主催している組織が気楽な外野に叩かれているけれども、代表の言動が気に入らないことに端を発して現場の問題を精査せずに叩いてるにしかすぎない。一度同じことをやってみたらいい、と思う。