第5回上方落語台本入選落語会
笑福亭福笑 桂あやめ (表彰式、選評、司会)
笑福亭福笑 優秀賞「娘のカレシがやって来る」(山田浩康作)
月亭遊方 佳作「罪を憎んで」(横井正幸作)
月亭八方 佳作「夜中の歯医者」(安田夏菜作)
仲入
桂三風 佳作「楽しい終活はじめませんか」(桑島敦子作)
笑福亭仁智 優秀賞「麺食い渡世」(土屋幸喜(ゆうばこうき)作)
落語台本コンクール入賞作品の落語会に行ってきました。
社会人落語家でもある微笑亭さん太さんの作品が入賞されたのでそれを楽しみに♪
場内満席で補助椅子まで出ていたほど。お客さんはサラリーマン率高しで前日とは
打って変わって男子トイレに長蛇の列でした(笑)
おそらく、応募された台本そのままではなく演者さんが自分のカラーを付けているんだと思います。
だけど、今度応募される方の参考のために作品の感想を。
私? 私は書けません! アレンジすらできないのに新作なんて書けません~。
今回、ほとんどの方が書くことのプロや同人誌で作家活動をされている方だったそう。
ある点で「読んでおもしろい」という完成度だったのではないかと。
さん太さんは自分でも落語をされるのでそういう視点も含まれているでしょうけど、
入賞された方のブログを拝見する限り、落語をされているというわけではなさそう。
ここで豆情報:優秀賞の山田さん(演芸作家)のお父上は、あの「おいらルパーン三世」の故山田康雄さん。
栗貫さんによるとお父上と声が一緒らしいとwikiに記載されていました。
ちなみに優秀賞のお二方はどちらも40才で演芸作家を生業とされているそうです。
第五回の課題作は「絆」
(優秀賞)
「娘のカレシがやってくる」娘のカレシが髪をピンクに染めたミュージシャンだというので
はじめは反対していた父親が自分を卑下するカレシに段々肩入れしていくという立場が変わる
おもしろさのある展開でサゲ一発でほろりと。
「麺食い渡世」ヤクザもんのアニキと弟分の噺。これを仁智さんが。はまりすぎでしょう(笑)
前半は予想通りのドタバタ、ところが後半人情噺に。爆笑が続いた会場が静まり返る緊張感でした。
(佳作)
「罪を憎んで」学校に内緒でスーパーのバイトをしていた高校生が先生に問い詰められているところから
場面ははじめるのですが、実は先生はここで万引きをしてつかまったといたという立場が変わる面白さ。
そこへ万引きしたとつかまえられてやってきたのが父親で…。
シュールな展開かつブラックなサゲなのでドライな感じの方が合うでしょうね。
さん太さん版だったら、また違うんだろうなあと思った夜でした。
「夜中の歯医者」売上が欲しい歯医者さんが、深夜営業をはじめたところやってきたのが、
お菊さんに白雪姫に五右衛門と、落語、童話、歌舞伎の登場人物が楽しい二次創作的作品。
誰もが分るパロディが楽しい。作者は児童文学を書いている方らしい。納得。
「楽しい終活はじめませんか」30代ライターの女性作。話題の終活をモチーフに。
夫婦が葬儀会館の見学会に参加して、棺桶に入らされたり、遺影を取られたり。はては奥さんへの感謝の手紙を書かされて。
設定と一般的な葬儀とここにでてくる葬儀のイメージのズレが面白く、また、こういう噺は今、受けるんじゃないかと思いました。
さて、次の募集要項はこちら↓今度は「こころ」が課題作となるそうです。
第六回上方落語台本募集要項