話題の映画を見てきた。
最初単館で上映がはじまり、あれよあれよと上映館が広がったという「カメとめ」再来といわれているブームに。
そして、今日発表の流行語大賞にもノミネートされているし、あとひと月でまだ跳ねるのでは?という状況。
わたしはスケジュールの関係で梅田のTOHOシネマへ。
でかっ。
400人入る映画館のでっかいスクリーン。
そういえば「カメとめ」もここで見たような。
斜陽になった時代劇業界。
ある時、幕末からサムライが時空を超えてやってくる、まさかのSF展開。
ちょっと古いかなと思っていたら設定がいまより20年くらい前だったとか。あ、なるほどね。楽屋のテレビの横においてあるのがビデオだったのだ。
そして、侍はわりと簡単に現代に慣れ斬られ役になりイキイキと今を生きる。
が侍だった自分を思い出すできごとが。
会津藩の侍だった主人公が台本を読むことにより何があったかを知る場面では苦しさが迫ってくるようだったし、おそらくそれはここに至るまでに現代ナイズされた侍に親近感を持っていたんだと思う。
ともあれ、最後はこれでもかの殺陣シーン。動きが半端なくかっこいい。
こういう映画は監督とかそれを支える周りのひとたちの苦労とかも併せて盛りあがっていくもので、またこれが映画と重なったりするのだ。そういえば「カメとめ」も映画界を描いた映画だったって今頃気が付いたのか。
上映後は拍手が起こり、観客をひとつにした映画の余韻を胸に劇場をあとにした。
映画「エス」を見に行く。アフタートーク付き。
アフタートークは太田真博監督とゲスト磯部鉄平 さん(映画監督)辰寿広美 さん(俳優)で、辰寿さんはこの前のお笑い長唄遠征、おっと、お笑いではなかった、で一緒に同行した三味線教室の方。
映画は監督自身の犯罪歴、その後を周辺の人物を通して描くもの。
この犯罪というのが、映画祭などで評価も得てこれからという映像ディレクターが2年に渡って知人女性のメールアドレスにアクセスしていたという、被害者いるやん、気持ち悪いやん、という微妙なシロモノ。
「スリルを得たかった」
というのも劇中でチラチラでてくる。
でこれが本人が反省した姿を見せるという内容かといえば違う。
周りの人間、学生時代の演劇サークルの仲間、アルバイト先の人間関係などでわりと当人の人格を浮きだたせるものではなく、友達が犯罪を犯したら?という会話劇でそれを見せていく。
舞台のような会話の展開で何度も笑いが起こっていた。わたしはそこまでじゃなかったけどその先にあったのは、ある主滑稽ともいえる手のひら返し。ドラマではここであれこれ動くんだろうけど道徳的な作品ではなくそこは純文学。
そして、人生は続いていく。
#映画エス
映画「#無名 」を、新しくなった#テアトル梅田 で見てきた。劇場はウェイティングエリアが充実して、ひな壇みたいな座席ができてた。売店で売ってたのがヒルベリのポップコーンだった。今日は最後にメイキング映像がつくという特別上演の日でカードもろた。メイキングの分量で新旧スターを知る。
先の大戦時の共産党、国民党、日本軍の三つ巴の時代のスパイを題材にしたエンタメ映画。背景の説明が少ないのと時系列の違う映像が差し込まれるので、関係性が分かるまでが結構大変、言語も入り乱れるし。
ただそこをあえてハッキリ書かないのでどんでん返しが成立するんだと思う。
まあ、簡体字のオープニング見たら、こうなるだろうなあは分かった!よ!このあたりは素材は面白いんやろうけど、中国で作る以上、限界はあるやろうなぁ。
日本軍の描き方、実は華族で云々は必要だったのだろうか😅
上海での料亭の芸妓さん、三味線の弦を押さえずに演奏する超絶技法を見せる。
「もっと明るい曲を弾いてくれ」
「和歌は悲しいものです。軍歌は明るいですが。今日は下がります。ほな」
ほな
お前は男女七人夏物語の大竹しのぶか!
シリアスな場面なのに5分ほど笑い止まらず。
#トニーレオン もう還暦って。あいかわらず、かっこいい。
4階ウェイティングエリア
ちょうどおひるごはんを食べ終わったくらいの上映開始時間だったのがこちら。前知識は日本を外国の映画監督が撮ったことくらい。
これが開始5分で「あ、好きな映画だ…」
主人公は東京のトイレの清掃員(これは前知識で知っていた)、平山。毎日同じような生活を丁寧に生きている。ミニマリストに見えるけど、本とカセットと植物に囲まれて生活している。
ルーティンワークの毎日を映画は映していく。
同じように。
でも、ちょっとずつ違う。
大きな事件は起こらないし、解決もしない。
でも、生活はちょっとずつ変わっていく。
平山の過去は明らかにされず、もちろん未来を描くでもない。
ただ、いまを描く。
そしてその中で平山は輝きを見つけている。
そんな映画。
2022年に平成中村座で上演されたクドカン歌舞伎。荒川良々がでていた。
落語の「唐茄子屋」をベースにしていて、「大工調べ」もでてきて、落語の改作歌舞伎みたい。「鈴ふり」もでていたけど、落語は想像の世界だからいいのであって腰に鈴をつけているのは生々しいやろ!
小ネタ、小ネタの応酬で、現代的な言葉も多く、まさに新作。まあ、途中に歌舞伎的な場面もあるのがかえってサービスのような。お祭り的な一作。
コロナ禍入ってすぐに契約したTSUTAYAの月額漫画レンタル。あれやこれやの大作をレンタルで読み耽った行きつけのTSUTAYAが閉店。
価格変動セールがあり、最後の110円の時に合計30枚近く購入。米朝、枝雀、志ん朝は早い段階でなくなっていた…。
そんなわけで最近は江戸落語を車の中で聞いている。
閉店前夜に最後に、と思っていたときに棚に残っていたのが、「ジュティ」これもコロナ禍下での公開だったと思う。
「オズの魔法使」のジュディ・ガーランドの伝記的映画。大人になったジュディが子どもを連れて舞台に上がり興行の旅にでているところからはじまる。
物語は背景を多くは語らない。でも、ジュディがいまもむかしも幸せではないのは分かる。ただその中で歌われる歌が今までの彼女とリンクして圧巻。
10代のうちからハリウッドに搾取されていた彼女の人生を肯定するところでラストは終わる。なんとも切ない。
ただ、ジュディは哀れみはもってほしくはないのだろう。
都合のいい時間帯に行こうとすると「字幕付き」の回だった。字幕付き、聴覚障害の方に向けてのものかと思ったら文字があったほうが理解しやすい特性の方もいるそうで、いろんな方が楽しめる配慮だった。
とはいえ、予め分かっていたとはいえ、画面に少し早く全文が出るのに戸惑っているうちに慣れた。そんなもんか。
予告で見たときは子どもが痛い辛い目に合うのは見たくないと思って鑑賞予定に入れなかったがどうやらそれを超えておもしいらしい。予定変更。
同じ出来事を視点を変えて、三回トレース。視点が変わると観客が見ていたものが変わり、一度味わった感情が不確かなものになっていく。
子どもは残虐だし、ウソをつく。
予告でも印象的に使われていた「怪物、だ~れだ」は、子ども二人のヒミツの遊びのときのもの。観客は怪物を探そうとして見るのだが、視点を変えて描かれることで自分の判断も危うさも知るという。
ところでカンヌでとった脚本賞はクィア映画としての賞だったらしい。LGBTのあとに続くQ。説明されてもよく分からない。でも、その分からなさがQなのかも、と言ってみたりして。
そして、ふたりの男の子の同性愛的な部分はことさら強調されてない。
わたしは相手が彼だから「好き」なのではないか、はっきり性自認しているのか分からないな、と捉えていたら以下のようなインタビューがあった。
「あの年齢(11歳)の子たちが、例えば自分がゲイであるとかトランスジェンダーであるという自認、もしくは他認をするということはまだ早い段階なので、『そういう特定の描写をむしろ避けた方がいいのではないか』というアドバイスをいただいて、極力というか、そういう描写を脚本から少しカットした」
ラストの解釈については分かれるとこみたいで、そのまま裏なく受け止めたいけど、直前にあった虐待児の描写がすっきりしない。体力回復した?短期間に?
先生とお母さんはどこに?とか。
ふと「銀河鉄道の夜」みたいだな、とシュチュエーションをトレースしてたら、監督はそこも意識していたみたい。まんまと術中にハマってるやん。
そういえば、境界線に立つ子どもって授業で習ったよな。あの授業は……そうだ「宮沢賢治論」だ。
ラストはオープンエンディングなんだと思う。
中森明菜イースト・ライブ 昨年NHKでも放送された1989年のコンサートの劇場版。大人になって改めて見ると歌のうまさはもちろんのこと踊りが上手い。そーいや、振り付け自分でしてたような。バレエの素養があったような。今日明日は他の劇場では発声上演してたみたい。手拍子くらいはしたかった。
難破船のときになぜかほろっとしたのと、最後の特別メッセージに涙が🥲
ファンはどこかで彼女が幸せにしていてくれたら、それでいいと思ってると思うのよ。
5/1 神戸の映画館の割引デーに「パリタクシー」を。
ラジオでDJがとにかく絶賛と。ただ詳しいストーリーは紹介しなかった。
老人ホームに入る老女92歳(演じるのは実年齢がさらに上!)とたまたま出会ったタクシー運転手。
フランスの街をタクシーが駆け抜け、その間に老女マドレーヌの人生が映し出される、とだけ。
ただ立ち上がれないほど衝撃を受けた、と。
ふむ。
そして、わたしも同じだった。ありきたりの過去じゃなかった。
【ネタバレあり】
宣伝にも一切出てこない。これはフェミニズムを扱っている。日本では、フェミニズムはマイナスだと思って宣伝に使わなかったのなら哀しい。
フランスにもあったのか。
女に権利がない時代。
女が男の所有物だった時代。
夫の暴力に苦しんだ主人公マドレーヌは罪を犯す。
だけど、いまならおそらく情状酌量されるであろう。でも、そんな時代ではなかったのだ。
そして、彼女は大切な息子も失う。
明かされていくマドレーヌの過去の重さと今を生きるマドレーヌの明るさ。にっちもさっちもいかない暮らしの中にいるタクシー運転手シャルルはやがてルールを超えて、家族のように。
…一日で!
シャルルが心の鎧を取り去り、踏み込んでいくところから感情が揺さぶられた。
ただ最後の最後はまとめすぎかなーと。ここはそこがよかったと言ってるひともいるので好みかな。
さて、映画から離れてフェミニズムの話。わたしは権力者の友達が立場を利用して利益を得ることは許さないけど、貧困対応など営利団体でない組織が[誰かの想像の範囲外にある]お金の使い方をしたとして、公金をくすねてると揶揄されてることは不快。非常に腹立たしい。いまも若い女性が主催している組織が気楽な外野に叩かれているけれども、代表の言動が気に入らないことに端を発して現場の問題を精査せずに叩いてるにしかすぎない。一度同じことをやってみたらいい、と思う。
選挙に行ってそのまま「RRR」おかわり。
でも、すでに座席が補助席しかなかった。
3時間耐えられるのかあああ。
結果:耐えました。もぞもぞしながら。
不思議なことに1回目よりも短く感じた。長いけどやっぱりダレ場がないんだろうなあ。
どーーーーーしても、大きな画面でもう一度見たかった「ナートゥ」!
SNSで何度も見たけどやっぱり映画の中でもう一度見ることができてよかった。でも、よくよく考えると、全編で何度も流れるのは違う曲だった。
来週、イッテQで「ナートゥ」ダンスを取り上げられるらしいのでめちゃくちゃ楽しみ。踊りたい。←むちゃいうな。
「RRR」ロングランになってるおかげでスクリーンで見れました🎥
時間を感じさせないこれでもか展開。さすがのエンタメ感やけど、そらインド人はイギリス嫌いやろうなぁ、と思った。エリザベス女王が亡くなったときに追悼しないと言うてたもんな。された方は忘れんわな。
で、これは独立のための物語か!と思ったらものの、頭によぎるのはガンジー…
めっちゃ暴力やないか😅
ラストはガンジーやその他偉人(と思う)の絵も出てきてまさに祝祭!
昨年、ミュージカル「天使にラブソングを」を見に行ったはなしをボーカルトレーニングの先生にしたところ、
「ミュージカルソングします?英語の歌します?」
ということになり、1月から、
「天使にラブソングを2」の劇中歌「JOYFUL JOYFUL」を選んで持っていったら、
(※「天使にラブソングを2」は学生時代にめちゃくちゃはまったのでそれこそCDは擦り切れそうなほど聞いている)
先生「faye-yさん、英語話せるんですよね?」
うそぉ!先生、英語の歌教えられるって言いましたやん。こっちの実力も必要だったか…。
JOYFUL JOYFULの英語歌詞自体はそんなに難しくはないけど、曲がポップスの歌い方、コーラスの歌い方、ラップパートと別れているので、さあどこからやりましょう…。
で、いままでやってなかったコーラス(声楽)からすることに。このところ、リズムが中心だったので久方ぶりに発声に戻る。いままでと響かせるところが違っていて、できない自分がオモロイ。こんなに違うもんなのか~。
そして、youtubeに海外のカラオケ動画(歌なし)もあったので自主練もできそう。さあ、最終目標はラップやで。
え?
興味を持ったときにどんどん向こうから情報がくるのはどういうわけか。
というか興味を持ったからアンテナがたってるような。
能楽=申楽のことを学んで興味をもったこのタイミングで映画「犬王」の公開。アニメ「平家物語」もあったし、なにかと興味が沸いているのと世間もなぜかこのあたりに流れがきているような。
実在した能楽師・犬王をめちゃくちゃ分厚い虚構で成り立たせた物語。
ロック・ミュージカル。
当時の人たちが新しい芸能に対して抱いた熱狂が現代の感覚でよみがえるよう。平家物語という鎮魂、鎮魂できぬ恨、現生での嫉妬、そして生。
そういえば、ロックも反体制だな。うむ。
ところで、映画はじまる前の広告がアニメばかりで今後の公開はアニメばっかりなのか~。それしか客が入らんのかと思ったら今から見るのがアニメだったからでした。なお、同じシアターではアイドルコンサートのライブビューイングも上映してました。
さっそく後半を見てきました。
前半はこちら。
後半はさらにえぐい。
最初にでてきた坊主(心中しなかった方)は、落ちぶれてるしますます桜姫に執着。
桜姫は転落人生へ。
坊主死す。
桜姫を手籠めにした男、町人と桜姫は結婚。公家言葉と町人言葉のカップルは「延陽伯」みたいだと思いましたが、桜姫は遊女になり、さらに言葉がしっちゃかめっちゃか。
ここから最初の方にちらっと触れていた「お家騒動」の本題の方に入っていきます。歌舞伎というか浄瑠璃もそうですが、こういうのが指示されていたのも分かります。昔の香港の正月映画みたい(なんでもあり)。
そしてやっぱりニザ様と玉様のいちゃいちゃですよ。なんですかね、あの艶って…。そしてお二人とも姿勢の良さとかで年齢感じないんですわ。あの映画、全国民が見て健康について考えるべきかもしれ、んなわけはない。日舞なのか、発声なのか。化物のようだ。
ともかく、1週間のうちに上下見られて余は満足じゃ。
そんなわけで(昨日の日記参照)駆け込んだシネマ歌舞伎はこちら。
玉様×ニザ様。新作です。収録は去年。
冒頭でお二人のいまのお話があってからの作品世界。
本来は5時間あるのを上下に分けて公演したそうで、映画も上と下に上映期間が分かれているので注意。
まず坊主とお小姓の悲恋からはじまり、これいつの時代?と思っていたら口上がはじまり200年前に上演された作品と。ひえっ。男色は嗜みと言われていた時代が日本で(一部で)あったのは知ってたけど歌舞伎になっていたのか…。
このお小姓が心中(実は坊主は死ななかった)の末に転生したのが、桜姫。
しかし、玉様10代のお小姓ですよ。歌舞伎ってすごいな。
桜姫がお小姓の生まれ変わりと気が付いた坊主はやがて桜姫に執着して…。おい、男色はいいのか?
この桜姫もちょっとおかしくて自分を襲った男に惚れて同じ入れ墨を彫ったり。襲ったワル男もニザ様。太もも×胸をはだけセクシーなワル男が桜姫と生々しい濡れ場を。ご飯食べてウトウトしていたのもふっとぶ。
さて、後半は29日から公開。GW中に見に行こう。