花を愛でる

四季折々の花を愛でます、時折、亀吉の様子も

冬のキク科の花(3)

2020-03-14 | 植物 花

今日の窓は、早春の花「クリスタルリリー」(オニクソティス)の花です。

”クリスタル” の名前の通り、キラキラとした純白の花弁です。

純白の花弁6枚は、星形の花で、中心に赤紫色の斑が入り、コントラストが

一層引き立ち、黄色い 色の雄蘂が、目立ちます。

ユリ(イヌサフラン)科、オニクソティス属、常緑多年草(球根)、南アフリカ原産

学名 Dipidax triquetra = Onixotis triquetra 、別名「オニクソティス」


キク科の花(3)は、「ハナカンザシ」、「タンポポ」、「ヘリクリサム’ペーパーカスケード’」

「ユーリオプスデージー」「ユーリオプス・バージネウス」、を挙げてみました。

<「ハナカンザシ」>

丸い蕾の形が、簪に似ているので、此の名前が付いたとのこと、八重の花弁の様に見える総苞片(葉が変化したもの)は

カサカサして紙で造った様な感触です、葉は、披針形で、互生します。

柔らかなで、緑白色、細かい毛が生えてい、中央の黄色い場所には、キク科特有の筒状花が咲きます。

キク科、ローダンテ属、一年草、オーストラリア原産、学名 Phodanthe chlorocephala ssp. rosea

= Heliptrum roseum=Rhodanthe roseum=acroclinium roseum

英名 Pink paper daisy、別名 「ヘリクリサム」、「アイロクリニウム(旧属名から)」

 

近縁に、耐寒性多年草の「ヘリクリスム・ペーパーカスケ-ド」が有ります。

花弁の先端が尖っていて、蕾も細長いのが特徴です。

学名 Heliptrum anthemoides=Rhodanthe anthemoides

別名 「ヘリプラテラム ’ペカスケード’」


<「タンポポ」(蒲公英)>

「タンポポ」もキク科の植物です、キク科特有の舌状花、筒状花で一輪の花を作っています。

葉を放射状に広げるロゼット(*)葉です、綿毛の着いた種子をつくります。

「タンポポ」の名前の由来は、<鼓>を意味する小児語からとか

江戸時代には、「ツツミグサ」(鼓草)と呼んでいたらしいのです。

「ニホンタンポポ」、「セイヨウタンポポ」等が有りますが、「セイヨウタンポポ」の繁殖力に圧されて

今では、「ニホンタンポポ」の数が少なくなっているようです。

尚、「ニホンタンポポ」と「セイヨウタンポポ」の見分け方は、前者は、萼片が反り返らないが

後者は、萼片が反り返るとなっていました。

黄色い花の「タンポポ」が多いのですが、今回は、白色の「シロバナタンポポ」(白花蒲公英)を載せました。

キク科、タンポポ属、多年草、学名 Taraxacum 、英名 Dandelion (ダンディライオン)

英名は、フランス語の dent-de-lion “ライオンの歯`の意味からとか 

<「ユーリオプスデージー」>

秋から春の長期間、黄色い花を咲かせます、此の花も耐寒性が有るので、花が少ない季節に存在感が ・ ・ ・ 

露地でも越冬が出来ますので重宝されます。

草木状だった姿が、年月が経つと樹木の様相を呈します、葉には、細かい毛が生えているので

全体が、灰色に輝きます、此の毛が生えなく光沢有る似た花の

「マーガレットコスモス」(E.chrysanthemoides)との違いです。

葉は、羽状深裂で、此も切込みが浅い「マーガレットコスモス」との違いです。

尚、「ユリオプス」は、ギリシャ語で ”大きな目を持つ” 意味とか、舌状花の大きく開いた状態を著わすようです。

キク花、ユリオプス属、耐寒性常緑多年草、南アフリカ原産、学名 Euryops pectinatus 、英名 Euryops daisy

別名「ユーリオプス・ペクチナータス」


下図は、似た花の「マーガレットコスモス」(Euryops chrysanthemoidesです。

開花期も粗同じですが、葉の形が羽状ですが、切込みが「ユーリオプスデージー」より浅く

毛が生えてないので艶やかで恋濃い緑色をしています。

次のキ科の花は、「ユーリオプス・バージネウス」です。

<「ユーリオプス・バージネウス」>

上載の「ユーリオプスデージー」より小型の花を咲かせます、耐寒性は、若干低いのですが

此の季節に充分愉しめます、花径が 約 0.5~1cmと小さな黄色の花を沢山咲かせます。

葉も特徴が有る松葉の様な分裂葉です。

多く流通している品種の「ゴールデンクラッカー」は、「バージネウス」の

園芸種とか、名前の通り弾ける様な輝く黄色の花です。

キク科、バウジネウス属、半耐寒性常緑低木、南アフリカ原産、学名 Euryops virgineus

英名 Honey euryops 、園芸種  E.v. 'Golden Cracker'


冬のキク科の花(2)

2020-03-12 | 植物 花

今日の ”窓” も、春の色「アネモネ」の花です。

<「アネモネ」>

一重、八重、花色は、ピンク、青紫、赤、白と豊富で、交雑種も多数です。

花弁の様に見えるのは、立派な萼片で、花弁が無いのも面白いものです。

一般に「アネモネ」と呼ばれているのは、「アネモネ・コロナリア」(Anemone coronaria)

「アネモネ・ホルテンシス」(A.hortensis)と「アネモネ・パポニア」A.pavonia)の交雑種とのこと。

キンポウゲ科、イチリンソウ属、耐寒性球根、地中海沿岸原産、英名 Anemone

 別名「ボタンイチゲ」(牡丹一華)、「ハナイチゲ」(花一華)、「ベニバナオキナグサ」(紅花翁草)


花弁の多彩な色彩と斑模様が、此の花の見所です、拡大すると一層



「アネモネ」の名前は、ギリシャ語で<風(Anemos)に由来する由

風通しが良い場所を好むから、風が多く吹く季節に花を咲かせるからとの説が有りましたが

真偽の程は、解りませんが、熟した種子が、長い綿毛を着けて

風に乗って遠くまで運ばれるのは、確かです。

今回の “冬のキク科の花(2)” は、「オステオスペルマム」、「ディモルホセカ」です。

<「オステオスペルマム」>

似た花に「ディモルホセカ」が、有りますが、以前は、此の花の仲間に入っていたとか、殆ど見分けが困難です。

現在は、「オステオススペルマム」として独立している由

一般に、両者を「ディモルホセカ」と呼んでいますが、区別のポイントが幾つか有りました、最後に載せてみます。

「マーガレット」の花に似て、花の色は、白、青紫、ピンク、ブルー等々多彩で

園芸種には、黄色やオレンジも有るようです。

本々、“デモルフォセカ〃 とは、“二つの形の種子” 意味で

区別のポイントの一つにもなっている<種子つくり>の違いからとか

キク科、オステオスペルマム属、多年草、南アフリカ原産、学名 Ostospermum ecklonis

別名 「アフリカンデージー」



次は、「ディモルフォセカ」です。

<「ディモルホセカ」>

「キンセンカ」の近縁で、けま舌状花には、角型の種子を、管状花には円状の種子と、夫々違った形の種子を作ります。

「ディモルホセカ」の名前の由来、<2個の違った種子を作る>意味からとか

上載の「オステオスペルマム」が、舌状花にのみに種子を作るのとの違いが有ります。

花の色は、黄色、オレンジ系が「ディモルホセカ」で、「オステオスペルマム」が、多彩な色の花を咲かせる特徴と

されていたようですが、最近では、交雑種が増えてきて、「ディモルホセカ」にも多彩な色の花が有る由

見分けは、益々困難になったようです。

キク科、アメリカキンセンカ属、一年草、学名 Dimorphotheca spp. 別名「アフリカキンセンカ」

<両者を見分けるポイント>

(1) 「オステオスペルマム」(A)は、舌状花にのみ種子を作り、「ディモルホセカ」(B)は

    舌状花と管状花にも種子を作る。

(2) (A)は、花の色が、ピンク、青紫系、赤系と多彩で、(B)は、黄色、オレンジ色の花が多いが

    交雑種が多くなり見分けるポイントにはならない。

(3) (A)は、濃い緑色の葉が着いた花茎を、(B)は、大きな銀葉を着けるが、花茎には、此の銀葉は

    着けず、背丈低め

等々とのことですが、一見、見分け難いものです。


冬のキク科の花(1)

2020-03-10 | 植物 花

今日の "窓” は、春の色「ラナンキュラス」の花です。


<「ラナンキュラス」>

薄い花弁が、ペーパークラフトの様な質感です。

品種改良も有って、花色もピンク、青紫、赤、橙、黄、白色と豊富です。

一般に、「ラナンキュラス」と称するのは、「ラナンキュラス・アシアテクス」とのこと

キンポウゲ科、ラナンキュラス(キンポウゲ)属、半耐寒性多年草、ヨーロッパ、地中海沿岸原産

学名 Ranunculus asiaticus 、英名 Persian buttecup、別名 「ハナキンポウゲ」(花金鳳花)





尚、「ラナンキュラス」とは、ラテン語で蛙の手を意味で、葉の形が、蛙の手の形に似ているからとか(下図)

他に、名前の由来は、蛙が住んでいる湿地に多く生えるからとの説も

蛙の手に見えるかな ・ ・ ・ 

 

”冬のキク科の花(1)” は、「サイネリア」の花です。

花が少ない冬の鉢花として人気の「サイネリア」です、寒さには強いので屋外やベランダでも開花しますが

夜間は、室内に取り込むのが無難です。

品種改良が進んで、花色も多彩で、ピンク、青紫、赤、橙、黄、白色等々が有ります。

亦、グラデーションも豊富、蛇の目模様のものも有ります。

花径3~5cm位、草丈50cm位、花期も長く初冬から初夏の頃になります。

葉は、大きく「蕗」の葉に似ているので別名に「フキザクラ」(蕗桜)の名前が付いています。

キク科、ペリカリス属、非耐寒性多年草(秋播き一年草)、北アフリカ原産

学名 Pericallis × hybrida=Senecio × hybridus、英名 Florist's cineraria 

別名「シネラリア」、「ペリカリス」、「フウキギク」(富貴菊)、「フキザクラ」(蕗桜)


<各画像は、クリックで拡大表示します>

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他のキク科の花を過去にも載せてますので、御覧下さい。

 
”寒咲き” の名前が付いています。
冬、「ユーチャリス」(「アマゾンリリー」)の花を室内で咲かせます。露地では、秋が、開花期の「ユーチャリス」ですが、冬、室内で育てることができます。冬の室内を明るく彩りま......
 

春色

2020-03-06 | 植物 花

冬の間、「ヤブツバキ」(藪椿)を楽しんできましたが、春になって種々の「椿」が咲き始めました。

其の一つ 早咲きの「椿」、“西王母” が美しい姿を見せ始めました。

中国の神話の西王母に纏わる「桃」に似た福よかな姿です、特に蕾の姿が「桃」に似ています。

“西王母” の名前は、此の姿から採ったのでしょうか、不老長寿も頷けます。

一重の筒咲きで、“筒” の中央が少し膨らんだ微笑ましい形です、加賀で作出した園芸種とか、茶花でも知られています。

学名は、Camellia japonica ´Seiobo` 、飽く迄も東洋的なのです。

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特に、開き切らない蕾の中央の膨らみはが「桃」の形です。

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他に、"黒い椿” の「カメリア ’ナイトライダー’」も咲き始めました。

ニュージーランドで作出された交配種「カメリア  ’ナイト ライダー’」は、”赤味懸かった黒い椿" です。

「カメリア  ’ルビーベルズ’ 」Camellia 'Ruby Bells' 日本原産の「クロツバキ」と

(黒椿)Camellia .Japonica 'Kuro-Tsubaki' の交配種とのことです。

学名 Camellia × williamsii 'Night Rider'

 

今日は、”春色” と題して、「ヒポシルタ」のユニークな形の花を挙げてみます。

明るく照り輝くオレンジ色が "春色” です。

「ヒポシルタ」は、露地では、夏ヵら秋頃に花を咲かせますが

花が少ない此の時季には、室内で咲かせて愉しみます。

鮮やかなオレンジ色の花と葉も肉厚で光沢が有ります、水草の間を泳ぐ金魚に見えます。

花冠が、開いた様子が、”オチョボグチ” 、花弁の膨らみが金魚の形です、命名の由来です。

イワタバコ科、ネマタンサス属、半耐寒性多年草、南アメリカ原産

学名 Nematanthus gregarium =Hypocyrta nummlaria

英名 Hypocyrta、Goldfish plant、Clog plant (*)

別名「ネマタンサス」、「キンギョノキ」(金魚の木)、(*)Clog は、木靴

尚、旧学名の 1Hypocyrta は、ギリシャ語の Hypo (下)cyrta は、(膨らみ)を

意味するとか、”下膨れ” の金魚の体型です。

金魚に似てないかな、下図は、チョット似てるかな

亀吉の友達

”春色” として、「ボリジ」の蕾、花を挙げてみました、”春色” の花には、少々早いのですが

陽溜まりには、蕾と僅かな花の開花を視ることが出来ます。

<エディブル フラワー>としても利用できる「コーンフリー」の近縁種です、葉をサラダ等に利用します。

亦、ハーブの一種で、ストレスに効く薬効も有るとのこと

長く伸ばした花茎の先端に、五弁の星形で鮮やかなブルーの花を咲かせます。

楕円形の葉や茎には白い毛が密生しています。

葉や茎には「キュウリ」に似た香りがします。

ムラサキ科、ルリチシャ属、耐寒性一年草、地中海沿岸原産、学名 Borage officinalis 、英名 Borage

別名「ルリチシャ」(瑠璃萵苣)、「ボラゴ」、「スターフラワー」

尚、<チシャ(萵苣)>は、「レタス」の意味とか、<エディブル フラワー>なのが、解ります。


<各画像は、クリックで拡大表示します>


冬、黄色い樹木花(4)

2020-03-03 | 植物 花

花色が、一層、濃くなってきた「ギンヨウアカシア」です。


「銀葉アカシア」の詳細は、以前に挙げた記事から抜粋しました。

画像は、開花前の蕾の状態の画像でした。

<「ギンヨウアカシア」>

開花は、3月頃ですが、今は、小さな ”金色” の蕾が、膨らみ始める時季です。

開花期には、総状花序に黄色い花が、多数咲き集います。

此の時季は、名前の通り、葉が、灰銀色ですので、灰色のキャンバスに金の粒を鏤めた様相です。

「ミモザ」とも称していますが、正確には、「ミモザ」は

「オジギソウ」(含羞草/眠り草/タッチミーノット/Mimosa pudica)を指す由

似た花の「フサアカシア」(房アカシア/Acacia dealbata)も「ミモザ」と称しますが

此も正確には、間違っているとのことです。

マメ科、アカシア属、半耐寒性常緑高木、オーストラリア原産、学名 Acacia baileyana

英名 Cootamundra Wattle、別名「ミモザ」、 「ミモザザアカシア」、「ゴールデンミモザ」

今回の ”黄色い樹木花” は、「マンサク」の花にしました。

灰色の寒い灰色の世界に春を告げる明るい色の樹木花です。

<「マンサク」>

「マンサク」(万作、満作)の花は、葉が出る前に咲きます、花弁は、4枚、雄蕊も4個、雌蕊が2個

赤褐色の萼、花弁は、ユニークな形で、黄色で細長い紐状です。

山肌に咲く様子は、黄色い霞が、懸かった様です。

赤茶色の萼と細長い紐の様な花弁とのコントラストを愉しみます。

葉は、紅葉して落葉します、同 じマンサク科、トキワマンサク属の「トキワマンサク」(常磐万作)

「アカバナトキワマンサク」(赤花常磐万作)、別名「ベニバナトキワマンサク」(紅花常磐満作)が

名前のとおり常緑なのとの違いです。

亦、「マンサク」より、開花期が早い(1月~3月頃)、中国原産の「シナマンサク」(支那万作)が有りますが

一見、判別が難しいのですが、ポイントとして<「シナマンサク」(1)は、開花期に前年の葉が付いている場合が多い

(1)の葉は、表面に毛が生えているが、「マンサク」(2)は、無毛

花の中心部が(1)は、暗赤色で、(2)より濃い、開花期が(1)は、(2)より早い、(1)は、(2)より花に強い香りが有る

花の大きさは、(1)の方が、(2)より大きい>等々です。

尚、“万作、満作” の名前の由来は、昔、稲の作柄を占う樹木花で、花が、沢山咲いた年は、豊作になるとか 

黄金色の花を咲かせる姿が、豊年満作の縁起担ぎから

他に、早春に咲くので “まず咲く” を東北地方の訛りで “まんず咲く” から「満作」になった由

マンサク科、マンサク属、落葉小高木、日本原産、学名 Hamamelis japonica 、英名 Japanese witch hazel

別名「アオモミ」、「ハマメリス」、開花期 2月から3月頃

下図は、「シナマンサク」

下図は、「トキワマンサク」(Loropetalum chinense)の花です、常緑なのが分かります。

下図は、常緑の「アカバナトキワマンサク」Loropetalum chinense var.rubra の葉と花です。

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次は、<過去の記事の再掲載>です、>続きを読む から入ってください。

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