花を愛でる

四季折々の花を愛でます、時折、亀吉の様子も

夏、樹木花

2020-06-26 | 植物 花

魅し暑い此の時季、「センダン」(栴檀)の満開の花の下や「サワグルミ」の翼果の影で憩います、涼風が通り抜けます。


下図は、「サワグルミ」(沢胡桃)の翼果が連なって下垂します。


今日は、序でに、此の時季の 樹木花を2種挙げてみます、「シナノキ」、「ケムリノキ」の花です。

<「シナノキ」(科の木)>

集散花序に小さな淡黄色の花を下向きに咲かせ、下垂させます、初夏の風に香りを運ばせます。

香りは、レモンの香りに似ています。

艶の有る葉の縁が、ギザギザで、先端が、ハーtポ形をしています。

秋の紅葉も見応え充分です。

秋には、球形の果実が熟します、果実には羽根の様な苞が着いていて、遠くに種子を飛ばす役目をしています。

”シナ”  は、<支那>の字を想像しますが、<科>、<級>、<榀>の漢字を宛てています。

北海道に多く自生していて、”シナ” は、アイヌ語で<縛る>を意味して

樹皮を網や綱の材料として利用したことに由来したと記されていました。

シナノキ科、シナノキ属、落葉高木、日本原産、学名 Tilia japonica、英名 Japanese Lime

シナノキ(ボダイジュ)属の仲間は、世界に分布しているようです。

釈迦が此の木の下で、悟りを開いた「菩提樹」は「インドボダイジュ」なので

クワ科で、シナノキ科ではないとのこと、シューベルトの<菩提樹>は、「オランダシナノキ」のこととか

「シナノキ」は、謂わば、”日本の菩提樹” と言えます。

尚、「リンデンバウム」は、「セイヨウボダイジュ」(西洋菩提樹)Tilia × europaea のこと


次は、「ケムリノキ」(煙の木)です。

木々が、”煙” に覆われている様にも見えます、また、”霞” が、棚引いてる様にも

”煙” の様に見えるのは、花では無く、花が咲き終わった後の花柄が、多数分岐して糸状になったものとか

花は、小さな(花径3mm位)5弁の花で、薄緑色や紫色で、見栄えは、イマイチです。

ウルシ科、ハグマノキ属、落葉小高木、ヨーロッパ原産、学名 Cotinus coggygria

英名 Smoke tree、別名「ハグマノキ」(白熊(はぐま)の木」、「スモークツリー」、「カスミノキ」(霞の木)

*白熊(はぐま)とは、動物のヤクの尾の毛のことで、白い毛の様な姿を著わしているようです。

葉が、紫色の「ロイヤル パープル」Cotinus coggygria 'Royal Purple'




 

 下図は、葉が紫色の「ロイヤルパープル」Cotinus coggygria 'Royal Purple' の花です。


今、ユキノシタ科の花

2020-06-23 | 植物 花

今年も「サボテン」の花が、咲き始めました、周りが、暗くなると徐々に開花が、始まります。

昼頃から蕾の先端が、脹らみ、ピンク色に変色し始めます、下図の撮影時間は、午後7時から

9時30分頃でした、開花後は、翌々日迄、花を観賞できます。


 

此の時季のアジサイ科の花2種挙げました、「ハイドランジア ’アナベラ’ 」と

「カシワバアジサイ」(柏葉紫陽花)の花です。

他に、似た花で、スイカズラ科の「オオデマリ」(大手鞠)も載せてみます、開花時季も終りに近づいてます。

<「ハイドランジア ’アナベラ’ 」>

「アジサイ」(紫陽花)の仲間ですが、日本原産種を改良した「アジサイ」(紫陽花)の花とは少し趣が違います。

小さな装飾花が密集して咲き、手鞠状の大きな花房(20~30cm位)を作ります。

北アメリカ原産の「アメリカノリノキ」Hydragea arborescens の変種を改良した園芸種とのこと

花弁の無い両性花は、手鞠状の装飾花に隠れて咲きますので、外からは、見えないのです。

花色は、白が主ですが、ピンクの花も有る様です。

花色は、淡い緑から純白、再度、緑になり最後は、乾燥して茶色に変化します、ドライフラワーにします。

アジサイ(ユキノシタ)科、ハイドラジア属、耐寒性落葉低木、北アメリカ原産(園芸種)

学名 Hydragea arborescens 'Annabelle' 、別名「アナベル」、「ハイドラジア・アルボレッセンス’」

「アメリカノリノキ ’アナベル’」、<アナベル>の名前は、諸説有る様ですが

原種の発見地、北アメリカ、イリノイ州、アンナ市に因るとのこと



次は、「 カシワバアジサイ」の花です。

円錐形の花序に、花に見える小さな装飾花を多数咲かせます。

葉は色は、白色ですが、秋に頃には、段々とピンク色に変色します、一重や八重咲きが有ります。

”カシワバ” の名前の由来は、葉が「カシワ」(柏)の葉に似ているからとか、5~7カ所が深く裂けています。

緑茶色の葉は、秋には赤くなり、綺麗な紅葉が視られます。

アジサイ(ユキノシタ)科、アジサイ属、耐寒性落葉低木、北アメリカ原産、学名 Hydrangea quercifolia




最後は、似た花の「オオデマリ」(大手鞠)別名「テマリバナ」(手鞠花)を挙げてました。

花期は、今月一杯で終わります、アジサイ科の花ではなく、スイカズラ(レンブクソウ)科の花です。

日本に分布する「ヤブデマリ」(藪手鞠)Viburnum plicatum var.vartomentosum の園芸種とか

花は全て装飾花で、径が10cm 位の球状になります。

雄蕊、雌蕊が退化しているので、結実しないようです。

葉は、皺が寄っている様に視えます、学名の は、”プリーツ在る” 意味とのこと、秋に、紅葉します。

スイカズラ(レンブクソウ)科、ガマズミ属、耐寒性落葉低木、園芸種

学名 Viburnum plicatum var.plicatum、別名「テマリバナ」(手毬花)、「ジャパニーズ スノーボール」



「ハイドランジア ’アナベル’」と「オオデマリ」の花は、似ていますが、葉の姿で見分けられます。

亀吉

上図(左 )「ハイドランジア ’アナベル’」、(右)「オオデマリ」の葉

<各画像は 、クリックで拡大表示します>


今、キク科の花(2)

2020-06-21 | 植物 花

キク科の花(2)として、「リアトリス」、「アゲラタム」、「ストケシア」を挙げてみました。

皆キク科の花ですが、「菊/スプレーマム」等とは一味違った風情をご覧下さい。

<「リアトリス」>

直立した茎の上部に花序を出して、「アザミ」に似た花の頭状花を咲かせます。

花は、筒状花のみで、「菊」の花の様な舌状花は無く、花冠が5裂して星形になります。

先端が、2裂した雌蘂が突出して目立ちます、花序の穂の上から下に咲き進みます。

品種として、穂咲き種と玉咲き種の二種類が、有ります。

穂状の花序に小さな花を密生して咲かせるスピカタ種の「リアトリス・スピカタ」が多く栽育されていますが

他にスカリオサ種の Liatris scariosa が、人気が有るようです、他に、園芸種、交配種が、多く有ります。

花色も赤、紫、白色とが有り、細い葉が互生します。

別名に「ユリアザミ」(百合薊)の名前が、着いていますが、花が、「薊」の花に似て、葉が、「百合」の葉に

似てる故の命名とか、日本には、大正時代に入ってきたと記されていました。

仲間で玉咲きの「リアトリス・リグリスティリス」Liatris ligulistylis)も有りますが

小さな花が固まって咲く頭状花で、花数が、疎らで見栄えは、劣ります。

キク科、ユリアザミ属、耐寒性多年草、北アメリカ原産、学名 Liatris spicata

英名 Dense Blazing Star、Prairi Gay Feather

別名「ユリアザミ」(百合薊)、「キリンギク」(麒麟菊)




 下図は、玉咲きの「リアトリス・リグリスティリス」L.ligulistylis

 

次は、「アゲアラタム」の花です。

<「アゲラタム」>

円錐花序に紫、青、白、紅色の花を咲かせます、「菊」に似てもいますが

長い糸状の花弁が、特徴の一つです。

「カッコウアザミ」の別名が付いていますが、名前の由来は、葉がシソ科の「カッコウ」別名「カワミドリ」に似ていて

花が、「薊」に似ているからとか、亦、「アゲラタム」(Ageratum) は、ギリシャ語の Ageratos に因るとのこと

意味は、”年をとらない”、”色褪せない” なので、開花期が長く綺麗な色を保つからでしょうか

キク科、カッコウアザミ属、非耐寒性多年草(一年草)、中南米原産、学名 Ageratum houstonianum

英名 Ageratum、Floss flower

 


 

 

尚、下図は、上に載せた「アゲラタム」に似た「ユーバトリウム・コエレスティナム」ですが

開花期が、少し遅い8月頃からですので、将来、再度載せてみます。

淡い紫色と淡い藤色が混合したような絶妙な色合いです。

英名は、Blue Mistflower ですから頷けます。

キク科、コノクリニウム属、耐寒性多年草、北アメリカ、メキシコ、西インド諸島原産

学名 Eupatorium coelestinum=Conoclinium 、英名 Blue Mistflower

別名「セイヨウフジバカマ」(西洋藤袴)、「コノクリニウム・コエレスティナム」、「宿根アゲラタム」

 

 

 

次は、「アゲアラタム」の花です。

<「アゲラタム」>

円錐花序に紫、青、白、紅色の花を咲かせます、「菊」に似てもいますが

長い糸状の花弁が、特徴の一つです。

「カッコウアザミ」の別名が付いていますが、名前の由来は、葉がシソ科の「カッコウ」別名「カワミドリ」に似ていて

花が、「薊」に似ているからとか、亦、「アゲラタム」(Ageratum) は、ギリシャ語の Ageratos に因るとのこと

意味は、”年をとらない”、”色褪せない” なので、開花期が長く綺麗な色を保つからでしょうか

キク科、カッコウアザミ属、非耐寒性多年草(一年草)、中南米原産、学名 Ageratum houstonianum

英名 Ageratum、Floss flower

 



今、キク科の花(1)

2020-06-19 | 植物 花

キク科の花、「アーティチューク」、「エキニプス」、「ドイツアザミ」を挙げました。

「アーティチョーク」

同じキク科の「カルドン」に似た花を咲かせますが、重り合った萼には棘が無く、先端が、滑らかです。

野生の「カルドン」の改良種とのこと、蕾、茎を食用にすることで知られています。

特に、ヨーロッパでは、食材として多く利用されているようです。

キク科、チョウセンアザミ属、耐寒性多年草、地中海沿岸原産、学名 Cynara scolymus

英名 Artichoke、Globe artichoke、別名「チョウセンアザミ」(朝鮮薊)


下図は、 料理に使う蕾、葉も「カルドン」の葉に比べれば滑らかな表面です。

因みに、下図は、来月頃から開花する「カルドン」です ・ ・ ・ 次回に挙げる予定

葉は、「アーティチョク」に比べて刺々しく野性的な漢字です。

「エキノプス」

茎の先端に、筒状の小花を多数集めて、手毬の様な球状の花になります。

多くの種類が有る中で、リトロ種の「エキノプス・リトロ」、別名「ルリタマアザミ」(瑠璃玉薊)が

多く栽培されています、葉が、「薊」に似て、棘が有り、花色が、瑠璃色なので此の名前が付いた由

近縁種には、九州に自生する「ヒゴタイ」(肥後体)Echinops setifer が有ります。

「エキノプス」とは、ギリシャ語で<ハリネズミ>の意味とか

キク科、ヒゴタイ(エキノプス)属、耐寒性多年草、ヨーロッパ、西アジア原産

学名 Echinops ritro、英名 Small Globe ThistleBlue Ball、別名「ルリタマアザミ」(瑠璃玉薊)

 

廃屋と「瑠璃玉薊」

尚、「エキノプシス」に似た花でセリ科の「エリンジウム」(マツカサアザミ / 松笠薊)も

今が、盛りです、「エキノプシス」に似た姿ですが、別の植物です。

小花が、集合して球状の花序をつくり、棘棘の苞が、取り囲みます、花花序は、小さく径は、約2CM

草丈は、60CM~1M にもなります。

セリ科、ヒゴタイサイコ(エリンジウム)属、耐寒性多年草、ヨーロッパ原産

学名 Eryngium planum、別名「マツカサアザミ」(松笠薊)

 最後に、色鮮やかな「ドイツアザミ」です、日本の「ノアザミ」の園芸種とのことで、日本で作出されたようです。

鋭い棘が、象徴する「ノアザミ」(野薊)の面影が有りますが、花色は、一段と濃い色になっています。

キク科、アザミ属、常緑多年草、学名 Cirsium japonicum cv.、英名 Japanese Thistle

別名「ハナアザミ」(花薊)

亀吉

<各画像は、クリックで拡大表示します>


今、キキョウ科の花(2)

2020-06-17 | 植物 花

キキョウ科の花(2)には、「カンパニュラ・メディウム」、「カンパニュラ・グロメラータ」

「カンパニュラ・ラプンクロス」、「カンパニュラ・プンクタータ」を挙げてみました。

「カンパニュラ」Campanula spp. は、ヨーロッパ原産種を改良し多くの品種を作出した由

多くの園芸種が有ります、花色は、ピンク、青紫、藤色、白等が愛、花の形等も豊富です。

 <「カンパニュラ・メディウム」>

別名に「フウリンソウ」(風鈴草)の名前が付いていますが、風鈴の様な形の花です。

総状花序をだして、上向きに花を咲かせます。

葉が地面を這うように広がり、中心から花茎が立ち上がり、枝分かれします。

内側の花弁が、カップ状の「カンパニュラ・メディウム ’カップ アンド ソーサー’」や

二重咲き等の珍しいものも有ります、仲間の「ホタルブクロ」(蛍袋)にも二重咲きが見られます。

<カンパニュラ>は、ラテン語の  Campana (鐘)に由来するとか

キキョウ科、ホタルブクロ(カンパニュラ)属、耐寒性二年草、学名 Campanula medium、英名 Cantarbury bells



下図が、「カンパニュラ・メディウム ’カップ アンド ソウサー’」”Cup and Saucer” です。

白色の花も ・ ・ ・ 

次は、「カンパニュラ・グロマラータ」(竜胆咲きカンパニュラ)です。<「リンドウザキカンパニュラ」(>

漏斗状の花が、総状に着きます、「竜胆」の様な花を咲かせるので、此の名前が付いた由

花色は、青、青紫以外にも白色の花が有ります。

九州地方の山地には、「竜胆咲きカンパニュラ」の変種の「ヤツシロソウ(八代草)

Campanula glomerata var.dahurica が 自生しています。

キキョウ科、ホタルブクロ(カンパニュラ)属、耐寒性多年草、ヨーロッパ北部、中央アジア、シベリア原産

学名 Campanula glomerata、英名 Clustered bellflower <"ベル型の花の集まり” >

別名「カンパニュラ・グロメラータ」

尚、「カンパニュラ」は、ラテン語 campana ”小さい鐘” の意味とか

次の「カンパニュラ」は、「カンパニュラ・ラプンクルス」です。

<「カンパニュラ・ラプンクルス」>

ヨーロッパ原産の「カンパンニュラ」Campanula spp. の ラプンクルス種を日本の或る種苗会社が作出した由

小輪の花で淡いブルーと披針形の葉が、名前の通り涼しげです。

キキョウ科、カンパニュラ属、ヨーロッパ原産(園芸種)、学名 Campanula rapunculus、英名 Rampion Bullflower

下図は、園芸種「カンパニュラ・ラプンクルス」Campaniula rapunculus 'Suzuhime' 

最後に、“山野草” として御馴染みの「ホタルブクロ」(「カンパニュラ・プンクタータ」)です。

釣り鐘型の花を下向きに咲かせます、特徴として、五枚の萼が、大きなV字形をしていて、其の間に反り返った

副萼片が在ることです、萼は、丁度「茄子」の<ヘタ>に似ています。

名前の由来は、<子供が、蛍を此の袋の様な花の中に入れて遊んだからとか、一方、昔、チョウチン(提灯)を古い名前で

ホタル(火垂)と呼んだからとか>との説が有りました、<蛍を包む袋>も、<提灯の形>も頷けますか

日本、中国、朝鮮半島原産、多年草、学名 Campanula punctata、英名 Chinese rampion、Bell-flower

赤紫色の花も

<各画像は、クリックで拡大表示します>