花を愛でる

四季折々の花を愛でます、時折、亀吉の様子も

今、「臭木」の花が

2023-06-30 | 植物 花

今日は、「クサギ」、「ボタンクサギ」、「ゲンペイクサギ」の花です。

クマツズラ科の高木、木本の花々です、白色とピンク、赤と白の混色の色が、緑色を背にして競います。

<「クサギ」(臭木)>

”臭木” の名前ですが、臭いのは、葉に傷つけた場合で、花は、其の分、甘い良い香りがします。

「香木」では無く、「臭木」の名前の由来のようです。

集散花序に、白く筒部が細く長い花を咲かせます、先端は、5裂して平開します。

緑色の萼が、段々に赤色に変化するのも見物です。

秋に瑠璃色に熟す果実も、赤い萼とのコントラストが美しいものです。

熟す前の実は、黄緑色ですが、熟すと紺碧に変わります。

花や実は、仲間の「ボタンクサギ(牡丹臭木)」や「ゲンペイカズラ(源平葛)」に似ています。

果実は、オクナ科の「ミキーマウスの木」の実にも似ています。

シソ(旧クマツヅラ)科、クサギ属、常緑小高木、日本、朝鮮半島原産、学名    Clerodendrum trichotomum

英名    Harlequin glory bower


秋が、深まると、 萼の色と果実の色合いが素晴らしい実になります、ルビーの輝きです。

次は、「ボタンクサギ」(牡丹臭木)です、季節柄、遠目には、「アジサイ」と見紛う姿です。

<「ボタンクサギ」>

集散花序に、小さなピンク色の花を多数着けて、半球状の花穂を作ります。

5裂した花冠から4本の雄蘂と1本の雌蘂を長く伸ばします。

蕾の時は、紅色ですが、花色は、開花するに従ってピンク色です。

葉は、「クサギ」同様、独特の匂いがしますが、花は、甘い香りがします。

<牡丹>の名前は、花穂の姿が、「牡丹」の花に似ているからとか

シソ(クマツヅラ)科、クレロデンドロン属、半耐寒性落葉低木、中国原産、学名   Clerodendrum   bungei

別名「ヒマラヤクサギ」、「ベニバナクサギ」、「タマクサギ」

次は、「クレロデンドロン / 源平臭木」です。

<「ゲンペイクサギ」>

白い萼と赤い花が、源平の旗印の色からこの名前が付いた由

白い袋状の萼の間から花冠の先端が5裂した濃赤色の花が平開します。

4本の雄蘂と1本の雌蘂が、長く伸び出ます、葉は、卵形で互生します。

シソ(クマツヅラ)科、クサギ属、常緑蔓性低木、西アフリカ原産、学名    Clerodendrum thomsoniae

英名    bleeding heart vine、bag flower、glory bower

別名 「ゲンペイカズラ」(源平葛)





夏、白い樹木花(3)「ギンバイカ」、「カリステモン」

2023-06-28 | 植物 花

今日の "白い樹木花” は、「マーテル」銀梅花です、また、同じフトモモ科の白い「カリステモン」も挙げてみました。

 

<「マートル」>

ヨーロッパでは、結婚式の式場を飾ったり、花嫁が持つブーケに使うとのことで

「祝いの木」の 別名が付いた ”目出度い” 樹木花とのことです。

ギリシャ神話や旧約聖書にも登場する植物で、古くから親しまれていた植物のようです。

エジプト、ローマ、古代ギリシャでも、現代のように料理スパイス、香水として利用していた様で

ドイツでは、今でも結婚式に此の花で作った冠を被るそうです。

スウェーデンでは、女の子が生まれると此の木を植え、やがて、花嫁になる時に

枝や葉で髪飾りをつくって祝う習慣が有るとのこと

花弁は5枚で、「梅」の花に似ているので、「銀梅花」の名前の由来になった由

特に、多数の細長い雄蘂が溢れ出る様子は、美しいものです。

亦、艶の有る肉厚の葉も、此の白い花を引き立てます、葉には芳香が有ります。

秋には、円錐形で黒青色の果実が実を結び、食用になります。

フトモモ科、ギンバイカ属、半耐寒性常緑低木、地中海沿岸原産、学名   Myrtus communis

英名   Common myrtle、別名「イワイノキ」、「ギンコウボク」

 



初夏の頃に、「銀梅花」の名前の由来になった「梅」の花に似た5弁の白い花を咲かせます。

多数の雄蘂が、長く突出る様子は、美しいものです。

 秋には、下図の様な実が ・ ・ ・ 食べられます。

 

「カリステモン」が、赤い “花” (雄蕊)を咲かせています、穂状花序がブラシの様に見えます。

下図の様な赤い花が、お馴染みですが、白色の花も見応え充分です。

<「カリステモン」>

<カリステモン>とは、ラテン語で “美しい雄蕊” の意味とか、成程です。

「カリステモン」も「ヒネム」同様、花弁が小さいので目立たない特徴をもっています。

其のブラシ状の花序の先端から、若い枝をだして更に伸び、花を咲かせます。

花後に、扁平した丸い果実を隙間無く着けますが、枝から脱落しない状態で、数年位種子を閉じ込めているとか

オーストラリアでは、山火事で枝が燃えた後で種子を弾き出すそうです。

花が咲いている花序の上に、若芽をだして花を咲かせ、果実を着けて長い間脱落しないので

何段にも果実が着いた枝を視ることになります。

「カリステモン」にも多くの品種が有るようです、此処では、「カリステモン・スペキオスス」を載せました。

フトモモ科、ブラシノキ属、耐寒性常緑高木、オーストラリア原産、学名    Callistemon speciosus

英名    Bottle brush 、別名 「ブラシノキ」、「ハナマキ」(花槙)、「キンポジュ」(金宝樹)

尚、「スペシオサス」に似た「シダレハナマキ」(枝垂花槙) C.viminalis  は、花が下垂します。



下図は、果実の画像です、昆虫の卵の様で ・ ・ ・ 


夏、白い樹木花(2)、「ナツツバキ」、「ヒメシャラ」

2023-06-26 | 植物 花

今回の ”白い樹木花” は、「ナツツバキ」と「ヒメシャラ」の花です、白色の花で、涼しさを演出します。

<「ナツツバキ /  椿椿」>

5弁の透き通る様な花です、花径が<5cm~7cm>と大きく、雄蘂が黄色で目立ちます。

夏には、ピッタリの花の姿、色彩色彩で、涼しさを感じさせます。

透明感の有る花弁の先端には、フリルが着いた様な襞が視られます。

樹皮が、剥離し易く、現れる木肌には、薄緑色や赤茶色などの文様が、現出します。

「シャラノキ」(沙羅の木)の名前で、寺院などの庭でよく見かけますが

日本には無かった仏教の聖樹の「サラソウジュ」(沙羅双樹)に擬した物とのこと、一日花で残念です。

尚、”沙羅双樹の花の色” ですが

本来の「沙羅双樹」の花の形や色合いは「ナツツバキ」とは、大分、雰囲気が違います。

ツバキ科、ナツツバキ属、落葉高木、日本、朝鮮半島原産、耐寒性落葉低木

学名     Stewartia pseudocamellia 、英名   Japanese stuartia、別名「シャラノキ」(沙羅樹)



因みに聖樹の「沙羅双樹」の花は、下図の様な花とか、大分違います<滋賀県草津市立、水性植物園で撮影画像を借用>

 

次もツバキ科、ナツツバキ属の「ヒメシャラ」(姫沙羅)の花です。

「ヒメシャラ」

似た花の「ナツツバキ」が「沙羅樹」と間違えて伝わったことから、「ナツツバキ」より葉、花とも小さいので

"姫” の名前が付いて由、葉、花の大小以外に、違いは、葉、花に白い毛が生えているので、区別が容易です。

枝の分枝が多いので、樹形が綺麗、シンボルツリーとして植栽することが多いようです。

「ツバキ」に似た花径2cm位の白い花を咲かせます。

赤褐色の樹皮が鱗状に離脱するので、模様が付いた滑らかな樹木が現れます。

ミソハギ科の「サルスベリ」の樹肌に似た様相を呈します、紅葉も美しいです。

ツバキ科、ナツツバキ属、落葉高木、日本原産、学名  Stewartia monadelpha




夏、白い樹木花(1)「エンジェル ウィング」

2023-06-24 | 植物 花

” 夏、白い樹木花 ” と題して、最初は、”エンジェルウイング” の別名を持つ「オオシロソケイ」の白い花です。

<「オオシロソケイ / 素馨素馨」>

別名「エンジェルウイング」、”素馨” とは、「ジャスミン」の仲間です。

星形で、風車風の様な花の姿です、濃緑色の光沢が在る葉をバックに純白の花が冴えます。

「ジャスミン」なので、花には、芳香が有ります。

植物園では、周年視ることができますが、露地では、春後半から夏に懸けて見頃になります。

モクセイ科、ソケイ属、蔓性常緑低木、パプアニューギニア原産、学名   Jasminum nitidum

英名   Angelwing Jasmine 、Star Jasmine 、別名「エンジェル・ウイング ”天使の翼”」

「スタージャスミン」、「ジャスミヌム・ニティドルム」



”天使の翼” !!

 

<余録>

最後、余録として ”エンジェルウイング” の名前が付いた植物を挙げてみました、似ているもの

似てないもの等、混在しますが、納得は 如何ですか。

 

 

 

左図は、ベゴニア科の多数の品種の中の1品種、「ベゴニア  エンジェルウイング」です。

光沢在る葉が垂れ下がる様が、羽根の様なので、”エンジェル” と名付けた由。

細い茎にピンクや赤色の花を下垂させる様は、宛ら、”ペンダント” です。

シュウカイドウ科、多年草、南米原産、学名  Begonia coccinea

× Begonia aconitifolia 、英名  Angelwing begonia

 

 

 

 

左図は、「エンジェル ウィング」の 別名が付いた「セネシオ・カンディカンス」の葉です。

羽根とは、程遠い形ですが ・ ・ ・

「シロタイギク」のcandicans "仲間ですが、厚みの在る葉と大きさが

”天使の羽根”  の命名の由来ですか。

黄色で小さい花を咲かせますが、葉よりは見栄えがイマイチです。

キク科、セネシオ属、南米チリ原産、

学名   Senecio candicans 'Angel wings'

 

 

 

他に、”ウイング”  ではなく ”トランペット” の名前が付いた植物が有ります。

「エンジェルトランペット」です、過去に載せた記事からの再掲載ですが

<「エンジェル トランペット」>

”天使の笛” 「エンジェルトランペット」

不気味な画像ですが、「ノキシノブ」(軒忍)が 暑い夏の乾燥に耐えている姿です。一雨欲しい様子です、雨が降って湿気を含むと緑色の葉が、蘇るからです。古い茅葺屋根の軒......
 
 

”霞” で煙ります。

2023-06-22 | 植物 花

今日は、”霧” で煙る姿を著わした植物「アサギリソウ」と「ユウギリソウ」を挙げます、花と葉の姿です。

<「アサギリソウ / 朝霧草」>

「アサギリソウ」(朝霧草)は、細い葉や茎に白い毛が密生していて、光が当たると銀緑色に輝きます。

此の細かい葉の集まりの姿が、朝霧に喩えた命名とのこと

夏から秋に掛けて、総状円錐花序に黄色い「ヨモギ」の花の似た小さな花を咲かせます。

花は、地味で目立たなく、専ら葉を愛でます、葉も開花後は、落葉します。

キク科、ヨモギ(アルテミシア)属、多年草、日本北部、サハリン、千島に分布、学名   Artemisia schmidtiana

英名    Silvermount artemisia、別名「アルテミシア」


「ヨモギ」(蓬)の花に似た花は、見栄えがイマイチなのです。

朝霧に見えますか、画像を画像を暈かしてみました。

”朝霧” とくれば、”夕霧” です、「夕霧草」を挙げます。

上に挙げた「アサギリソウ」は、葉の姿が、<朝霧草>の名前になりましたが

「ユウギリソウ」は、筒状の小さな花の密生が、霞が懸かった様で、夕霧が棚引く黄昏を思え浮かばせます。

開花すると、多数の雄蘂が、長く突出るので、此れが、霧を演出します。

特に、多数の長い雄蘂の集まった傘のような花房が、雲海をも彷彿とさせます。

長卵型の葉の縁が、ギザギザで互生します。

花色は、青紫、桃、白とが有ります、花期は、初夏から初秋

キキョウ科、ユウギリソウ(トラケリウム)属、半耐寒性多年草(一年草)、地中海沿岸原産

学名    Trachelium caeruleum 、英名 Throat wort


次の画像も暈かしてみました、夕霧にみえますか、無理かな

今日も追加として、「サボテン」の花を載せました、花は、夜に開花して、翌日、翌々日頃迄、開花の状態です。