花を愛でる

四季折々の花を愛でます、時折、亀吉の様子も

早春に咲く樹木花 № 5 「マホニア・メディア ’チャリティ’」

2025-03-07 | 植物 花

今日も樹木花です、「マホニア・メディア’ 'チャリティ’」にしました、金色の花がら芳香が漂います、早春を彩ります。

<「マホニア・メディア ’チャリティー’」>

 濃い緑色の葉をバックに、総状花序を立ち上げて、黄色に輝く小花を沢山咲かせます。

花の少ない冬場の 色彩豊かな花の一つです。

「ヒイラギナンテン」(柊南天)Mahonia japonica と「マホニア ロマリホリア」 M.lomariifolia  との

交雑種で、「ヒイラギナンテン」の花穂が、下垂するのに対して、上向き、直立する違いが有ります。

葉は、独特の形の奇数羽状複葉で互生します、葉の縁は、ギザギザになっています。

雌蘂に触れると、雄蘂が、雌蘂を目指して動く様子が、現れます。

花に留った昆虫を利用して受粉する為とか

開花も「ヒイラギナンテン」より早く1月から2月に開花します。

メギ科、ヒイラギナンテン(マホニア)属、耐寒性常緑低木、学名   Mahonia media 'Charity' 

尚、交雑相手の「「ヒイラギナンテン  / 南天南天」は、生垣等に植栽するお馴染みの同じメギ科の植物です。

「柊南天」の名前は、「柊」の葉に似た葉で、南天の様な実を着ける事からの命名とのこと

メギ科、ヒイラギナンテン属、英名  Mahania japonica  、別名「トウナンテン  \  唐南天」

中国原産で、日本には、江戸時代に入ってきた由

「ヒイラギ  /  柊」の名前が、付いていますが、モクセイ科、、モクセイ 属、英名  Osmanthus ueterophyllus ではなく

葉の形状が似ていても、別の植物に属します、花の色も白色で違っています。





果実は、薄緑、青、青紫と変色しながら熟します。

他に、細長い葉の「ヤナギバヒイラギナンテン」(柳葉柊南天)Mahonia confusa 等も


早春に咲く樹木花 № 4 「マンサク」

2025-03-02 | 植物 花

今日も樹木花で、”黄金” に輝く「マンサク」にしました、太陽を想わせる ”春告げ 花”  です。

<「マンサク」>

 「マンサク  /  万作」も、黄色い花を咲かせる早春の樹木花です。

山肌に咲く様子は、遠目には、黄色い霞が懸かったようです、香りが遠く迄、漂います。

赤茶色の蕚と黄色で細長い紐の様な花弁とのコントラストを愉しみます。

葉の展開前に花が咲くのは、他の早春の樹木花の特徴です、葉は、秋には紅葉します。

花弁は、4枚、雄蕊も4個、雌蕊が2個、赤褐色の萼、花弁は、ユニークな形で、黄色で細長い紐状です。

同 じマンサク科、トキワマンサク属の「トキワマンサク」(常磐万作)

「アカバナトキワマンサク」(赤花常磐万作)、別名「ベニバナトキワマンサク」(紅花常磐満作)が

名前のとおり常緑なのとの違いです。

亦、「マンサク」より、開花期が早い(1月~3月頃)、中国原産の「シナマンサク」(支那万作)が有りますが

一見、判別が難しいのですが、ポイントとして<「シナマンサク」(1)

(1)は、開花期に前年の葉が付いている場合が多い

(1)の葉は、表面に毛が生えているが、「マンサク」(2)は、無毛

花の中心部が(1)は、暗赤色で、(2)より濃い、開花期が(1)は

(2)より早い、(1)は、(2)より花に強い香りが有る

花の大きさは、(1)の方が、(2)より大きい>等々です。

尚、“万作、満作” の名前の由来は、昔、稲の作柄を占う樹木花で、花が、沢山咲いた年は、豊作になるとか 

黄金色の花を咲かせる姿が、豊年満作の縁起担ぎから

他に、早春に咲くので “まず咲く” を東北地方の訛りで “まんず咲く” から「満作」になった由

マンサク科、マンサク属、落葉小高木、日本原産、学名   Hamamelis japonica 、英名   Japanese witch hazel

別名「アオモミ」、「ハマメリス」



下図は、「シナマンサク」


他の画像は、動画にしました、御覧下さい。

 

「マンサク」の名前の付いた変異種、「トキワマンサク」、「ベニバナトキワマンサク」です。

マンサク属とは違ったトキワマンサク属ですが、似た花を咲かせます。

開花期は「マンサク」が、2月から3月頃ですが、「トキワマンサク」は、春と秋頃になります。

亦、「マンサク」の葉は、「トキワマンサク」の葉より大きく、薄く柔らかい感じがします。

「トキワマンサク」の葉は、小さく肉厚で常緑ですが、両者、耐寒性常緑高木です。

花色は、白ですが、赤い色の花を咲かせる「アカバナトキワマンサク」も有ります。

下図は、「トキワマンサク」  Loropetalum chinense    の花です.。

下図は、「アカバナトキワマンサク」  Loropetalum chinense var.rubra  です。

「トキワマンサク  /  常盤万作」の名前の由来の  "常盤” は、常緑の意味とのことですが

紅葉することが有ります、但し、落葉はしないのです。

下図は、「トキワマンサク」と「アカバナトキワマンサク」の赤色、白色のコラボです。


早春に咲く樹木花 № 3 「サンシュユ」

2025-02-26 | 植物 花

今日の樹木花は、「サンシュユ」の花です。

<「サンシュユ」(山茱萸)>

”春告げ花”  の一つで、早春、葉に先立って集散花序をだして鮮やかな黄色の小さな花を枝一面に咲かせます。

樹木全体が、黄金色に輝きます、花は、4弁花で4本に雌蘂が目立ちます。

花序全体が、黄金色に輝きます、別名「ハルコガネ」(春黄金)の名前は、此の姿を著わしたとのこと

九州宮崎の民謡<稗搗節>に謳われている<サンシュユ>は、「サンショウ」(山椒)のことで

この地方では、「山椒」を「サンシュユ」と呼ぶとのことでした。

秋には、珊瑚の様な艶やかな赤い実が、熟します。

美味しそうに見える実も、生食は、不味くて、不向きです、果実酒や生薬として利用されているようです。

ミズキ科、サンシュユ属、落葉小高木、中国、朝鮮半島原産、学名   Cornus officinalis

別名「ハルコガネ」(春黄金)、春に花が、黄金色に輝くから、「アキサンゴ」(秋、珊瑚)


 

秋に、赤い艶やかな「茱萸」に似た実を着けます、「アキグミ /茱萸茱萸」、「ヤマグミ / 山茱萸」の名前の由来です。

朱色に輝く楕円形の実は、美味しそうですが、食用(渋い味で不向き)より

乾燥した果肉を薬用、生薬として利用するようです。

唯、”ヨーグルトの木” の名前も付いていて、暖めた牛乳に、此の「サンシュユ」の木の枝を挿して

一夜置くとヨーグルトが出来る記事が載っていました。

ブルガリアでは、「ヨーグルトの木」として、実際にヨールルトをつくる由 


早春に咲く樹木花 № 3「ミツマタ」

2025-02-21 | 植物 花

今回の ”冬の樹木花” は、「ミツマタ」(三椏)花です。

葉が芽吹く前に、球状の頭状花序を着けて、白や紅色の花(萼)を咲かせます。

筒状の萼の先端が、4裂して反り返ります、花弁が無いのが特徴です。

三つの枝に分岐した枝先に、花(萼)を着けます、「ミツマタ」の名前の由来とか、芳香が有ります。

樹皮は、「コウゾ」と同様、和紙の原料になります。

園芸種に、赤色の品種「アカバナミツマタ」(赤花三椏)が ・ ・ ・ 

ジンチョウゲ科、ミツマタ属、落葉低木、中国、ヒマラヤ地方原産

学名 Edgeworthia chrysantha、英名 Oriental paperbush、別名「ミツマタノキ」


Cimg02931 12

枝が、三叉に分枝しているのが分かります、名前の由来とか

 

「ミツマタ」の黄色い花と違って、赤い花の「アカバナミツマタ」(赤花三椏)が、有ります。

園芸種で、名前のとおり赤い色をしています。

<「アカバナミツマタ」>

蕾の頃は、確かに黄色い色をしていますが、開花に伴って、徐々に赤みを帯びてきます。

尤も、「ジンチョウゲ」と同様、花弁は無くて、花びらの様に見えるのは、萼片とか、葉に先駆けて花を咲かせます。

「ミツマタ」より若干早い開花期を迎えます。

密集して咲かせる喇叭型の花の先端が4裂します、「ミツマタ」の名前の由来は、枝が三つに分岐する故の命名

ジンチョウゲ科、ミツマタ属、落葉低木、中国原産(園芸種)、学名  Edgeworthia chrysantha ´Rubra`


開花すると一層、朱色が鮮やかに移ります。

白色に見える蕾が、開花するに従って、花弁の内側の赤色が、露わになってきます。


早春に咲く樹木花 №.2「ダンコウバイ」と「アオダモ」

2025-02-19 | 植物 花

今日の早春の樹木花は、「ダンコウバイ」と「アオダモ」の2種にしました、此等の花も、春を告げる暖かい色の花達です。

毎日、極寒の日が続きますが、開花の季節に違わず、咲き初めました。

<「アオモジ」青文字>


 

「アオモジ (青文字)」も早春に咲く "春告げ花” です。

花は、黄白色で、散形花序に着きます、亦、葉が展開する前に咲く

ので、枯れ木に花が、咲いた様に見えます。

雌雄別株の花は、花弁状の白い総苞片が目立ち、黄白色の小さな

花の花冠が、6裂します。

同じ科属の「クロモジ」が、葉と同時に花が、咲くのとの違いが有り

日本では、近畿地方以南が、生育地で3月頃に一斉に開花します。

鮮やかな緑色の葉が、互生して、秋には、黄葉して綺麗です。

枝や葉には、芳香が有り、<爪楊枝>に加工されています。

「青文字の名前は、樹皮が、緑色の故で、「クロモジ」の黒色のとの違いです。

果実は、球形で、秋には、紫黒色に熟します、レモンの香りがして、薬用にすることが多いようです。

クスノキ科、ハマビワ属、落葉小高木、日本、台湾、中国、インドネシア原産、学名    Litsea cubeba 

別名は、辛味が有るので、「ショウガノキ(生姜の木)」、「コショウノキ(胡椒の木)」



 

次は、「ダンコウバイ」の花です、前回に挙げた「アブラチャン」の花との判別が難しいくらい似ています。

<「ダンコウバイ」 /   檀香梅>


 

花は、前回に載せた「アブラチャン」に似ていますが

花数や花の着き方が、多少違います。

互生する葉は、楕円形で、先端が3裂して、秋には、黄葉します。

果実は、球形で秋に赤から黒色と熟します。

葉や幹、種子には、香りが有り、「クロモジ」、「アオモジ」

同様<爪楊枝>の材料になります。

クスノキ科、クロモジ属、耐寒性落葉高木、日本、朝鮮半島、中国原産

学名 Lindera obitusiloba 、別名 「ウコンバナ」

「壇香花」の<檀香>は、「白檀」の意味で、葉、幹、種子に香りが在るので

この名前が付いた由 、尚、英名の  Lindera は、スウェーデンの植物学者に由来するとか

 

<他の画像は、gif  にしました>

両者の違いを簡単に列挙しますと、(1)「ダンコウバイ」の葉は、楕円形で葉の先端が、

3裂し、花は、花柄が在って、散形花序が枝に着きますが(2)「アブラチャン」は、葉が、炸裂せず、楕円形で先端が尖っています。

花は、花柄が無く、散形花序が、直接枝に着きます。

下図は、上段「ダンコウバイ」の花序と葉、下段「アブラチャン」の花序と葉です。